マーティン・ウルフ特集【2】

日経新聞1月12日特集面:「デフレ拭いきれず」労働市場は素晴らしい状態だ。失業率は15年11月時点で3.3%にとどまる。我々の分析によると日本の労働者1人当たりGDPの成長率トレンドは2000年~10年の1.5%から10年~15年の同2%に上昇している。どちらも主要国7ヵ国(G7)で最高だ。
国際通貨基金(IMF)によると、購買力平価ベースで14年の日本の1人当たりGDPは米国の水準の69%にすぎず、日米欧のG7の中で下にはイタリアしかいない。抜本改革が成長加速につながる可能性はある。しかし、労働者1人当たりGDPで日本が1.5%前後を超す成長率を持続するだけでも並々ならぬことだ。その場合でもなお、大規模な移民の受け入れなしでは思い描く通りの経済を実現できない。
となると日本の問題は供給でない。もしそうだとしても原因は労働力の減少だ。真の問題は民間需要の弱さにある。その表れが民間部門の巨額の余剰資金、すなわち民間投資に対する民間貯蓄の超過だ。
人口が減る国は家計の最大の投資である住宅の新設を必要としない。驚くまでもなく、家計の投資は1990年代初めのGDP比7%から現在は4%以下に減っている。この家計投資の減少が高齢化などに伴う家計貯蓄率の低下を相殺してきた。その結果が家計の余剰資金の継続だ。
企業部門の余剰資金はさらに大きい。GDP比でみると、2001年~13年の平均で7%、ピークの09年と10年には9%に及んだ。余剰資金は2000年代初頭以降の平均で国民所得の22%n達する。一方、企業の総投資は緩やかな下降線をたどり、同じ期間の平均でGDP比14%となっている。
借り手は政府だ。公的債務は1990年のGDP比67%から2015年の同246%へと急増し、純債務のGDP比は13%から126%へ上昇した。だが、赤字財政の継続と超低金利にもかかわらず緩やかなデフレを拭いきれない。

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