ある日突然 家の中で骨折【4】

朝日新聞4月21日33面:今年の正月に自宅で左足を折った埼玉県の元看護師の女性(75)は順調に回復し、3月12日、伊奈病院(埼玉県伊奈町)を退院した。 一人暮らしの女性のために、自宅へ戻ってから1週間は、亡夫の妹が山形県から来て身の回りの世話をしてくれた。
実は、女性は20年ほど前から骨粗鬆症の薬を飲み続けていた。「骨を強くするには運動などで刺激を与えることも重要」とは聞いていた。ただ、「畑を借りて作業をしているので、運動は必要ないだろう」とあまり気を使っていなかった。階段をわずか2段踏み外しただけで骨が折れ、「思った以上に骨が弱まっている」と感じた。
いまは病院で渡されたメニューに従い、午前と午後の2回、左足に体重をかけて立ち上がったり、片足立ちをしたりする自主トレーニングに取り組んでいる。
階段や床に物を置かないなど転ばないための工夫も心がけている。小魚などカルシウムやビタミンDの多い食べ物を増やすなど食事にも気を使う。外出するときは病院で使っていた杖をお守り代わりに持っていく。
左足の中には骨を固定する手術で入れたチタンの棒が今もそのままある。主治医の石橋英明医師(54)は「チタン房は、長く身体の中に入っても問題はありません」。骨折の再発防止のためにも取り出さないでおくという。 長男(44)や次男(42)らが身の回りの世話をしてくれたが、家族以外にも多くの人に支えられた。そのリストをつくってみた。 看護師だった元同僚は、手術前後の説明を代わりに聞いてくれた。隣人は、郵便物のチェックをし、子のみの食べ物を病室まで買ってきてくれた。
2軒隣の女性は、孫の誕生日パーティーの最中なのに中断して救急車に同乗し、付き添ってくれた。家庭菜園を一緒にしている近所の女性は、毎週のように野菜や料理を差し入れてくれた。合計十数人の厚意に支えられた入院生活だった。
「遠くの親戚より近くの他人と言いますが、これだけ温かくしてもらうと、もう家族のように思えます」(鍛冶信太郎)

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