ある日突然 家の中で骨折【1】

朝日新聞4月18日21面:埼玉県北足立郡に住む元看護師の女性(75)は今年元日、自宅で新年会を開いた。夫が亡くなって以降、一人暮らしだが、この日は県外から長男(44)や次男(42)夫婦らが集まり、にぎやかに食卓を囲んだ。孫娘(4)は、重箱入りの黒豆など、用意した手作りのおせち料理を喜んで食べた。
長男たちが帰り、再び家の中で一人になった翌2日午後4時ごろ。2階のベランダに干していた洗濯物を取り込んで、階段を下りた。下から2段目あたりに重箱を載せたトレーが置いてあることは覚えていた。だが、両手で抱えた洗濯物に隠れて足元がよく見えない。階段の右隅にあったトレーの角を右足で踏んでしまった。
バタン! 重箱ごとトレーがひっくり返った。体が投げ出され、左のももを床に激しく打ちつけた。左足に気が遠くなるほどの強い痛みが走った。 ショックで5分ほど、ぼうぜんとしていた。「しばらくすれば治まるかも」。期待したが、少しもよくならず、左足が動かせない。 「この痛みと下股の機能消失。これは足が折れている」。職業柄そんなことを考えた。
「救急車を呼ばなければ」。だが、携帯電話は身につけていなかった。1メートルほど離れた8畳の和室の奥には固定電話がある。「低い台の上にあるから、あれなら立てなくても手が届く…」 和室の入り口まで10分ほどかけで、にじりよった。動かなくなった左足を、近くにあった座布団の上にそっと乗せ、両手で運ぶように支えながら、さらに和室の中をはって進んだ。30分ほどかかってようやく電話に手が届いた。119番をかけた。 「階段から落ちて…」
このままでは救急隊員が玄関の鍵を壊さないと入れない。今度は和室から和式の子庭に出られるガラス戸まではっていき、内鍵を開けた。 自宅から車で10分ほどの伊奈病院(埼玉県伊奈町)に運ばれた。X線検査を受け、当直医から「骨折していますね」と告げられた。 「たった2段落ちただけで、こんなことになるなんて」自分の身に起きたことが信じられなかった。(鍛冶信太郎)
🙁 以前、母の友人から、年よりは転んだら大変だから、ちょっとしたことでも気にしてあげて、転ばない様にと何度も話された事を思い出しました。骨折で動かさない筋肉はどんどん落ちていき、元に戻らず足が思うとおりに動かせなくなったと、自身の体験を話されていました。

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