「地域の要望」誰の声?

朝日新聞2月12日30面:「地域の意見」として自治会が重視するのが自治会からの要望。しかし一部の住民だけの意見なのに、あたかも自治会全体が賛成しているかのように扱われることもある。本当に自治会の総意なのか。意思決定の過程を確認しようとする自治会も現れた。「自治会に詳しい説明もなく建設計画が進んでいます。」関越自動車道の高架下で女性はため息交じりにはなした。周辺は交司用車両が行き交い、作業員らが測量調査をしていた。区は2005年から高速道路の高架下に高齢者向けのレクリエーション施設や運動広場などを設ける計画を進めている。昨年12月、区議会の定例会で計画の一部の議案が可決された。議会には自治会が集めたとされる署名が「地域の要望」として提示されたという。その自治会の会長は区議でもあり、女性や付近の住民らによると、区が進める計画を議会で推進する立場にあるという。 10年春、回覧板で計画の趣旨を伝える文章を目にした。計画の中身を伝える文章1枚と、計画に同意する署名用紙だった。差出人は自治会の副会長。すでに数人が署名していた。「なぜ自治会で署名活動をするのか」説明会など事前の周知がなく、女性は署名しなった。 他の自治会でも同じ署名用紙が出回り、その年の夏に一部の住民らが「自治会が『署名活動代理人』となり町会の役割を遺脱する」との抗議文を各自治会に提出した。高架下に住む女性は「町会の長に民主主義を悪用された」と振り返る。 建設に反対する住民らは一昨年11月、区を相手に事業計画への公金支出の差し止めを求める訴訟を起こした。自治会長で区議を務める男性は「会長と議員の兼務については特段、抵抗を感じていないです。署名活動は有志の活動、との認識です。と取材に答えた。
多くの自治会では、広報紙の配布やごみ集積所の管理など行政サービスの一部を自治会に委託し、補助金などを支出している。朝日新聞のフォーラム面には「財政が厳しい時代、自治会が坦わなければ地域が立ち行かなくなる」との指摘が寄せられる一方で、「自治会が行政の末端組織のように使われている」との不満も少なくなかった。さらに、行政にとって自治会は「地域の意見」を聞ける貴重な存在でもある。だが、自治会が地域を代弁しているかどうかの判断は簡単ではない。 そんな中、自治会の意思決定の過程を確認しようと動き出した自治体がある。昨年9月の大阪茨城市議会「地域の総意という形で、自治会長さん単独で行政に要望があげられていた」。自治会の意思決定のあり方に疑問を呈した市議が市に対して、地域からの要望を受ける方法をマニュアルにするよう求めた。 市役所では「自治会長たちの負担を増やすべきではない」との意見があったが、「要望の責任を自治会長などの一部の人だけに負わせないためにも必要」と判断。「意思決定の過程」を記入する要望書の導入を検討している。市市民協働推進課の課長は「要望書以外の意見も聞くが、自治会の集会所の建設など大金が動き、地域全体の意見も知りたい場面では、要望書の利用を勧めてみたい」と話す。

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