9月9日 生命保険、一定枠まで非課税

朝日新聞2018年9月2日18面:銀行で、相続対策にもなるからと、生命保険を勧められました。どうのようなメリットがあるのか、具体的に教えて下さい。定期預金が満期を迎えた高齢者らが、銀行の窓口で終身保険(死亡保障が一生涯続く生命保険)の契約を勧められケースが増えています。死亡保険金は、「遺産分割」と「相続税」の取り扱いが他の財産とは違い、相続対策に役立つことも理由の一つだと考えられます。遺産分割を行う際に、死亡保険金は亡くなった方の財産に含まれません。法律上、亡くなった方が保険料を払っていても、保険金は保険会社との契約で「受取人」に指定されている人の財産になるからです。そのため、法定相続分や遺留分といった取り分とは別枠で、受取人は保険金を受け取れます。
ただし、死亡保険金は亡くなったことに伴い支払われるので、税務上は相続税の対象になります。それでも、死亡保険金は「500万円×法定相続人の数」まで相続税が非課税になります。非課税枠があるため、同じ金額を預金で残すより得になるのです。解約には相続人全員の同意が必要となる他の金融資産とは違い、生命保険は受取人が単独で保険会社に保険金の支払い請求ができ、1週間程度で現金が手に入る点も利点です。
相続対策のために契約した保険を生前に解約すると、元本割れしたり、外貨建ての場合には、為替の変動や手数料の負担で損をしたりする恐れがあります。亡くなるまでに解約しないことが大前提なので、余裕資金の範囲に留めておくことが肝心です。また、気をつけたいのが「誰を保険金の受取人にするか」です。配偶者の年金収入や金融資産が少ない場合配偶者を受取人にしても構いませんが、相続税がかかる場合や自宅を特定の子に相続させたい場合は、納税資金や代償金の原資とするため「子」を受取人にします。
たとえば、父と同居していた長男が自宅を単独で相続する場合、他の兄弟の取り分を長男が自分自身の蓄えから「代償金」として他の兄弟に払う形で、遺産分割することがあります。父が長男を受取人とする保険に入っておけば、長男は保険金を元手に他の兄弟に代償金を渡せます。ただ、自宅を長男に相続させる代わりに他の兄弟を保険金の受取人にすると、他の兄弟は保険金とは別に取り分の主張ができますので避けましょう。親が子に現金を生前贈与し、それを子が保険料として払込み、親に保険をかける活用法もあります。死亡保険金にかかる税金の種類は、「誰が保険料を払い」「誰が保険金を受け取るか」で変わり、受取人が自分で保険料を払っていたら、この場合、受取額から掛け金や特別控除を差し引いた額の2分の1が課税対象で、相続税がかかるより税負担が軽くなることがあります。
なお、亡くなった方が「契約者(保険料負担者)」で、保険金が出ない場合も、解約返戻金相当額があれば、それが相続税の対象になります。申告もれが多いので、今年から保険会社が税務署に提出する調書が改正になり、税務署に把握されやすくなっています。(ファイナンシャルプランナー・税理士 福田真弓)

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