9月4日 見張り塔から ジャーナリスト・津田大介さん

東京新聞2018年8月28日4面:米大統領動かす陰謀論 世界中で混乱招く 米国でトランプ大統領とメディアの対立が激化している。一つのきっかけとなったのは、米国の有名な陰謀論者として知られるアレックス・ジョーンズ氏に関連する音声・動画番組を配信するアカウントが、軒並み閉鎖されたことにある。トランプ大統領は、2016年の大統領選の選挙運動中、彼の番組に出演した縁もあり、ジョーンズ氏を擁護。自らのツイッターで「ソーシャルメディアは共和党員・保守派の声を完全に差別している」「そんなことはさせないというのが、トランプ政権の断固とした明確な立場だ。彼らは右派以外の人々には何もしていないのに、右派の多くの人の意見を遮断している」と閉鎖措置を行ったプラットフォーム事業者を攻撃した。ソーシャルメディア事業者だけでなく、マスメディアへの攻撃も激化しており、記者たちが直接大統領に取材できる機会は日増しに制限されるようになっている。
こうしたトランプ大統領の動きに対して8月16日、各有力紙をはじめとする400以上のメディアが「報道の自由」を共通のテーマとした論説を一斉に掲載し、世界中のメディアで話題を集めた。しかし、東野トランプ大統領はメディアからの一斉異議申し立てに対してもどこ吹く風。論説が掲載された16日朝、ツイッターで「フェイクニュース・メディアは野党だ。われわれの偉大な国にとってあしき存在だ・・しかしわれわれは勝利しつつある!」と一方的にメディアに対して料理宣言を行った。他方で、米国では新たなネット発の陰謀論「QAnon(キューアノン)がにわかに注目を集めている。QAnonの起源は、日本の匿名掲示板「2ちゃんねる(現在は5ちゃんねる)」の影響を受けて米国で開設された匿名掲示板「4chan」に掲載された「Q」という名前のユーザーによる投稿だ。
Qは、民主党が小児性愛者サークルやロシア政府と裏でつながっており、トランプ大統領はモラー特別検察官に命じてそのことを暴こうとしているという陰謀論を掲示板で定期的に展開、まことしやかに書かれたこの陰謀論が多くの支持者を集めているのだ。問題はこの荒唐無稽な陰謀論とその支持者がトランプ大統領を支持しており、トランプ大統領自身も最近この陰謀論を意識してQAnonにおもねるような発言をし始めたところにある。ネット発の陰謀論が、米国大統領お動かし、リアルに世界情勢を動かしかねないところまで来ているのだ。
ツイッターを使った政治家によるメディアへの攻撃、広告料目当てでつくられるフェイクニュース、QAnonのような陰謀論の拡散ーソーシャルメディア上で起きていることだ。世界中でマスメディア以上の影響力を持つようになったプラットフォーム事業者が、流れる情報の「質」について責任を取らないことが、世界中で多くの混乱を招いている。マスメディアが黙っていても「マス(大衆)」に情報を届けられる時代は終わった。問われているのは、情報を届けるべき相手はどこにいるのか、どのように届けるのかといった対象と方法論の再定義である。

 

朝日新聞ASAの伸光堂西部販売 森林文化協会

ご予約・お問い合わせはお気軽に

Tel0120-740-276

〒352-0011 埼玉県新座市野火止8-14-29

ページトップへ戻る