9月29日 オトナになった女子たちへ 伊藤理沙

朝日新聞2017年9月22日29面:「ブナピー」認定 ママが5人、並んでいた。その中の1人のわたしだ。場所は公園、目的は売店の珈琲。繁盛している。幼稚園からの知り合いで、子供もみんな顔見知り。遠くでゴッコ遊びしている。珈琲の順番待ちしながら、どうでもいい話になり、ママAが言った。
A「ねえ、幼稚園の時、他のママ友の間であだ名つけられたとしてさ」 へ~? ママB、C、D、Eがざわつく。並び順だとわたしはママDだ。 A「もしも、の話」 妄想、妄想! と手を振りながら A「わたし、なんてあだ名だったかな」 意外だが、笑う者はいない。みんなまじめに考えだした。
B「ハイッ」手を挙げたB。挙手なんて、なんか真剣だ。B「わたしは、「ノッポ、かと」オオ~! みんなうなずく。身長174cmなのだ。 C「自分、おだんご、です」頭にのっけたお団子ヘアがトレードマークのC。「おだんご」という発音にみんな笑う。
A「わたしはさ~、これ、カワイイって意味じゃなくてね」と前置きを置いて A「子リス、ね」前歯が大きくて小柄で、いつも用事でチョロチョロしているからだって。ドッとウケる。そうそう、小動物っぽい。わたしは少し感動していた。みんな自分の特徴をつかんでいる。自分をわかっている。わたしも自分に面白いあだ名つけたい。と、いう欲に溺れて、Eに先を越された。
E「わたし、ローガン、で」もう老眼、だって。 E「ローガンは外国のおっさんの名前の発音で」美人だからウケる。 わ、わたしは・・? もうすぐ珈琲をたのむ順番だ。アレ、言うか。むかし、人に「似ている」と言われたアレを。
D「わたしはブナピー」キノコ。安い。色が白くて太い。ウケた。 D「あと、長野はキノコの消費量が日本一です」 長野出身だもんね~と、これもウケた。よかった。とてもうれしい。大満足だ。あれ? これでいいのか?つまり「ブナピー」認定・・・ここで珈琲の順番が来たのだった。(漫画家)

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