9月25日 平成とは 自公連立の源流「2」

朝日新聞2018年9月19日夕刊6面:金融危機回避が急務に 首相の小渕恵三はたまに立ち止まり、総理番の若い記者たちに向き合った。数分間、先生のように政治を説く。私も生徒のようにメモを取ったのが20年近く前だ。あくまで「過半数」にこだわる話を覚えている。首相になるには自民党総裁になって衆院で過半数を取る。自民党総裁になるには最大派閥の長になって自民党で過半数を取る。最大派閥の長になるには派閥内のグループで過半数を取るー。群馬の地元選挙区では「3人寄れば小渕が来る」とレッテルを貼られた自分だがこうして地道に「人の和」を築いたんだという肉声だった。
そんな小渕は自民党単独での内閣発足時、直前の参院選惨敗を受けた参院過半数割れに苦悩した。衆院で法案や予算案を押し通そうとすればその度に各野党が結束し、対立が深まる。けんかの暇はない。金融危機だった。参院選があった1998年夏から金融監督庁が大手19銀行の不良債権を集中検査。特に日本長期信用銀行(新生銀行の前身)は存続が「とても無理だった」と当時の検査部長、五味広文(69)は今年、講演で振り返った。
「ニューヨークやロンドンに拠点がある長銀が破綻すれば日本発の世界金融危機になりかねない。破綻処理法制がないと決済不能の連鎖を起こす。長銀の信用は悪化していく。法案が通るのが先か、長銀が待たなくなるのが先か」平成に入り10年目、「自民対非自民」のいさかいが続き、バブル崩壊で不良債権を抱えた金融機関への対処が後手に回っていた。参院選の頃、私はまだ政治部の総理番になる前で山形支局にいた。地元に来た自民党の幹事長・加藤紘一が講演で「丁寧に丁寧に、組織で戦う」と語ったが惨敗し、橋本内閣は倒れた。金融を安定させ貸し渋りを防ぐという政策はどうなるのか。東北で建設中心に中小企業の倒産が続く中で固唾をのんでいた。
(藤田直央)

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