9月25日 「加計」疑惑【3】

東京新聞2017年9月19日24面:個人メモ≠公文書? 官邸強まる隠蔽体質 7月初め、有識者でつくる国の公文書管理員会で、加計学園の獣医学部新設に関する文書管理の問題が話題に上がった。「個人メモであろうと、組織として共有すれば、行政文書と今まで考えられてきた」。委員長代理の三宅弘弁護士は、文部科学省の処分に疑問を呈した。その3日前、松野一文科相(当時)が、次官ら幹部3人を監督責任で厳重注意していた。担当職員が行政文書ではない個人メモを職場のパソコンの共有フォルダ―に保存し、外部流失を招いた、というのが理由だ。
三宅氏は、行政文書と考えたからこそ職員は省内で共有したのではないか、といぶかしんだのだ。加計問題に火を付けたのが、「個人メモ」と見なされ一連の文書だった。官邸の関与をうたがわせる内容で、内閣府が「総理の意向」などとして、文科省に獣医学部の早期開学を迫るやりとりが記されていた。
5月中旬、文書が明るみに出ると、菅義偉官房長官は日付けがないといった理由で「出所不明の怪文書」と断じた。再調査で一部文書が文科省作成と判明しても、文科省は「個人メモ」と言い繕った。
「文書に記載されている以上、発言はあったと思うが、真意は分からない」として、肝心な事実関係の検証はあいまいなまま調査を打ち切った。個人メモだから行政文書ではないー。国民の「知る権利」をないがしろにした政府の対応が、加計問題の真相解明を遠ざけている。
公文書管理法では、行政文書を「行政機関の職員が職務上、作成し、組織的に用いるために行政機関が保有する文書」と定義する。各省庁は法律に基づき規則を設けているが、行政文書と個人メモの線引きは明確な基準がない。獣医学部新設を巡っては、規制改革を進めたい内閣府と、監督官庁の文科省との間で激しい交渉があったとされる。文科省幹部は「内閣府が文科省に学部開設を促す内容で重要な報告文書だが、行政文書か個人メモかどうかの線引きは難しい」とこぼす。
三宅氏は「処分されるなら個人メモは行政文書にしないでおこうとなる。どう考えても危うい」と文科省の処分の余波を恐れる。既に文科省内からは、「個人のメモを作成したり、メールで共有したりするのが怖い」と戸惑いの声も出ている。
文科省の内部文書流失を受け、菅氏は個人メモと行政文書に関して「しっかり線引きするべきだ」と明言。各省庁の文書管理規則の見直しに言及した。菅氏の発言に、公文書管理に詳しい牧原出・東京大教授は「保存すべき公文書の範囲が従来よりも狭められかねない」と警戒を強める。
南スーダン国連平和維持活動(PKO)の派遣部隊に関わる行政文書の取り扱いを巡っても、防衛省が、大規模な武力衝突が起きていた時の日報を「自衛隊員の個人的なデータ」として隠そうとしていた。あったことをなかったことにする。安倍政権の一極集中が続く中、官邸や官僚の隠蔽体質が強まっている。

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