9月14日 情報番組 発言の修正要求?

朝日新聞2017年9月9日37面:降板のコメンテーター「告発」 ツイッター投稿 拡散2万件超 番組の責任者から発言内容の修正を求められていたー。日本テレビ系情報番組を降板するコメンテーターのこんなツイートが話題になっている。真相にかかわらずメディア不信が広がり、多様な言論空間も細ってしまうのではないか、といった危惧の声も出ている。
このツイートをしたのは評論家の宇野常寛氏(38)。自らのツイッターで8月31日、出演する朝の情報番組「スッキリ!!」を9月で降板すると公表。政治的発言が理由でトラブルになったことを明らかにし、投稿へのリツイートは2万件を超えた。宇野氏はツイッターで、日中戦争中の南京事件に否定的な本を置いていたアパホテルについて、1月19日の放送で「歴史修正主義だ」と批判したことを紹介。その結果、「(日本テレビに右翼の)街宣車が押し寄せ」たため、番組側が問題視したのではないかと主張した。ユーチューブにも自ら説明する映像を投稿し、「僕は事実上のクビだと解釈しています」などと約30分語った。
宇野氏は朝日新聞の取材に対し、3月2日の森友学園問題についての打ち合わせで、「(番組内で)安倍政権のナショナリスティックな言動を批判する」と予告したところ、当時のプロデューサーから発言内容を修正するよう求められたとも主張している。
プロデューサーは理由として、「政治的公平」を定めた放送法を挙げたという。宇野氏は修正の要求について「別のスタッフから、1月の『歴史修正主義発言』が『番組上層部の怒りを買ったことが原因、と聞いた」と語った。それ以降も、コメントをめぐって「何度か摩擦があった」という。
日本テレビは朝日新聞の取材に対し、「番組の制作過程に関する詳細についてはお答えしていない。10月期の番組リニューアルに伴う通常のコメンテーターの交代。交代される方は他にも複数いらっしゃる」としている。(湊淋子、滝沢文那、高久潤)
メディア不信 懸念も こうした出演者の発言をめぐる舞台裏は、以前なら視聴者の目に触れにくかった。碓井広義・上智大教授(メディア文化論)は、ツイッターなどの発信手段が多様化したことで、「番組の制作過程が見えやすくなっている」と指摘する。その一方で、「コメンテーターの発言が局の都合に合わないと『切る』んだな、という思いを視聴者は抱くだろう。メディア不信が広がるのは間違いない」とも語る。
情報番組での意見の幅が狭まることを懸念する声もある。元共同通信記者で、民放各局に出演する青木理さんは「発言内容に不当な縛りをかけられたことはほとんどない」としつつ、「面倒を避けるために物言うコメンテーターを避ける傾向が強まるかもしれない。当たり障りのないコメンテーターが増えれば、言論空間は閉じていくだけなのではないか」と指摘する。
コメンテーターの起用・降板、発言内容も含めてテレビ局には放送責任があるだけに「組織の理論があるのは現実」(青木氏)だ。事実、テレビ局側は近年ますます、コメンテーターの発言に神経をとがらせているといい、ある民放キー局のディレクターは「論争を生むコメンテーターは番組にとってリスクでしかない。発言内容に口を出すことはないが、人選には気をつかう」と打ち明ける。
碓井教授は情報番組の現状を「単なるまとめサイト化を招いている」と指摘。「以前は情報番組も、もっと独自に取材していたが、いまはネットや週刊誌の話題に飛びついて、井戸端会議をするような傾向が強まっているように思う。それだけに、番組の中での言論や議論の幅が狭まれば、視聴者の利益にもならない。テレビ離れがますます加速するのではないか」とみる。(田玉恵美)

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