9月1日 プラスチックごみ削減 必要な対策は?

東京新聞2018年8月26日24面:紙製ストローへの転換 広がる 海外では規制強化「総量削減を」 国内の飲食店やホテルで、使い捨てのプラスチック製ストローを廃止する動きが相次いでいる。環境に配慮した取り組みとして広がりつつあるが、ストローだけでいいのか。プラスチックごみを巡っては、各国のごみの総量を減らす対策が求められている。ホテル大手のヒルトングループは、7月から国内14ホテルのレストランでプラ製ストローを廃止した。ヒルトン東京お台場(東京都港区)はルームサービスでもプラ製ストローを廃止し、客の要望があればストライプ模様の紙製ストローを出している。広報担当者は「紙製はプラ製より割高だが、グループで一括して仕入て、必要な本数を確保している」と話す。14ホテルで、年間約140万本のプラ製ストローの削減を見込む。
外食大手のすかいらーくホールディングス(東京都武蔵野市)は、2020年までに国内外の約3200店でプラ製ストローを廃止する。まず今年12月末までに、国内のファミリーレストラン「ガスト」約1370店で、ドリンクバーでの提供をやめる。細く小さなためリサイクルが難しいプラ製ストロー廃止の動きが今、世界的に加速している。米国でもコーヒーチェーン大手のスターバックスが7月に提供中止の方針を発表した。
背景には、プラごみによる環境汚染がある。プラスチックは自然界で分解されにくく、海洋に流出すると波や紫外線で砕け、5㍉以下のマイクロプラスチック(MP)になる。MPは魚介の体内からも見つかるなど、生態系に悪影響を及ぼすとされる。国連環境計画(UNEP)の報告書によると、14年に日本の一人当たりの使い捨てプラごみの発生量は約32㌔。約45㌔の米国に続き、2番目に多い。欧州など少なくとも67の国・地域が使い捨てプラ製品の生産を禁止したり、使用する際に課金したりしているが、日本は国レベルの規制はない。
6月の先進7カ国首脳会議(G7サミット)では、海のプラごみ削減の数値目標を盛り込んだ「海洋プラスチック憲章」が採択されたが、日本は産業への悪影響などを理由に、米国とともに署名を見送り、国際的非難を浴びた。だが、プラごみ削減は待ったなしだ。日本や米国、欧州などから毎年約600~900万㌧近くの廃プラを輸入していた中国が、環境対策を理由に、昨年末から輸入制限を始めたからだ。
こうした事態を受け、日本政府もようやく重い腰を上げ始めた。環境省の審議会は17日、プラごみ対策を議論する委員会の初会合を開催。同省は19年度から、植物が原料で分解しやすいバイオプラスチックなど、既存のプラ製品の代替品を開発する企業に補助金を出す制度を設け、実用化を支援する方針も決めた。プラごみ削減について、大阪商業大の原田禎夫准教授(公共経済学)は「ストロー廃止は削減に向けた一歩だが、それだけでは不十分だ」と指摘。国内のペットボトルのリサイクル率の向上やレジ袋の禁止も視野に入れた有料化の徹底など、削減のための対策はまだあるという。そのうえで、「プラごみの総量の削減が欠かせない」と話し、ペットボトルのリサイクルを中国など海外に頼ってきた日本の姿勢の転換も求める。「今後、プラ製品を自国で処分できる分しか生産、消費しないことも考えなくてはならない」 (中山岳)

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