8月9日 保険会社と通話/走行を採点

日本経済新聞2018年8月4日夕刊1面:ドラコレ快走広がる「安全」 事故時に周囲の映像を記録するドライブレコーダー(ドレコレ)。「あおり運転」による悲惨な事故が相次ぎ、対策として急速に普及してきた。ドラコレを活用した保険や高齢者の運転チェックなど新たなサービスも登場。ドライバーの意識を変えつつある。「衝突の瞬間、何が起きたのか分からずパニックになった」。大阪府箕面市の派遣社員、佐野明日香さん(20)は5月上旬、大雨で視界が悪くなった府道で追突事故を起こした。「けがはありませんか?」。追突後、ドラコレを通じてオペレーターから安否確認の連絡が入った。オペレーターは警察への通報も代行。佐野さんは救急車で搬送された。
佐野さんが利用したのは、東京海上日動火災保険が2017年4月に始めた、月額650円の特約「ドライブエージェントパーソナル」。契約者に貸し出したドラコレが衝突を感知すると、オペレーターが24時間体制で対応。通話機能を備え、安否確認や警察と消防への通報を行う。契約数は約14万台と急速に増えてきた。
損害賠償の決め手 ドラコレは事故後の損害賠償の現場に大きな影響を与えている。「映像が決め手になって過失割合がゼロと立証できたケースがある」。弁護士の加茂隆康さんはその威力を語る。過失割合について争った際、事故の当事者は自分に有利な証言をしがちだ。過失割合の認定には信号など交通ルールを守っていたかが重要だが、「従来は証言頼りだった点も映像だと容易に判断できる」という。
ドラコレが国内に登場したのは10年ほど前で、当初はタクシーなど業務用が主だった。相次ぐ事故を受け購入者が爆発的に増加。市場拡大とともに機能も進化してきた。「最も鮮明な映像を記録できます」。JVCケンウッドの吉川悟史・商品企画部課長主事は胸を張る。17年発売の製品は370万画素と国内最高級だ。トンネルの出入り口など明暗差が激しい環境でも瞬時に露出を補正し、衝突の瞬間をとらえる。店頭価格は2万5千円超と安くはないが、「予想以上の売れ行き」と笑顔を見せる。魚眼レンズで360度撮影できる製品や、全地球測位システム(GPS)お活用して高速道路の逆走を感知し、警告を表示する製品も登場。記録目的だけではなく、安全運転をサポートする機能を打ち出している。
遠方の親のため ドライバーの意識も変わってきた。7月上旬、カー用品大手のスーパーオートバックス東京ベイ東雲店(東京・江東)。東京・品川の建設会社に保安担当として勤める男性(71)は、会社の車にドラコレを設置しようと来店した。男性の会社では、自社所有の6台の車に順次ドラコレを設置。社員の個人所有の車にも、設置に1万円の補助を出す。ドラコレを推奨した結果、「社員が安全運転を意識するようになった」という。
運転チェックに使う動きも出始めた。損保保険ジャパン日本興亜の特約「ドライビング!」(月額850円)。事故時の通報機能に加えて、日々の走行でのブレーキやアクセル、ハンドリングについて評価し、100店満点で採点する。パソコンの専用ページでチェックできるため、遠方に住む高齢の親のために契約する人が多いという。仙台市の三宅春雄さん(84)は東京で暮らす長男(58)と相談して7月から加入した。「運転をチェックできるし事故があると息子に連絡がいくので、安全運転を心がけるようになった」と話す。ドラコレの普及率は現在、一般乗用車で10%前後とされる。弁護士の加茂さんは「事故の見える化や安全サポートなど機能が広がっており、市場拡大が続く」とみる。「走る防犯カメラ」ともいわれるドラコレの役割はますます大きくなりそうだ。(宇都宮想)
信号写らぬ製品に注意 ドラコレを選ぶ際は機能の確認が必要だ。発光ダイオード(LED)の信号機は人の目では判別できないスピードで点滅しており、東日本では1秒間に100回、西日本では同120回を数える。ドラコレも1秒間に数十枚の静止画を撮影し、連続表示して映像として流す仕組み。初期は1秒で30枚撮影する製品が多く、西日本では信号機の点滅周期と重なり信号の色が映らないケースがあった。
大手メーカーの多くは撮影枚数を27枚などに調整して信号機の点滅とずらし、きちんと映るようにしている。だが安価な海外製品では従来の仕様のものも多い。また、記録用のSDカードに耐熱加工をしていない製品もある。車内の温度が70度以上に達することもある日本では故障することもあるという。信頼できる販売店でしっかり説明を受けて購入するのが重要だ。

朝日新聞ASAの伸光堂西部販売 森林文化協会

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