8月31日 未来ノート 水泳 大橋悠依

朝日新聞2018年8月26日14面:人生初の暗黒期 ダメな自分も受け入れた 「車で会場にに送ってもらっていい?」。2015年4月の日本選手権。東洋大2年だった大橋悠依=イトマン東進=は父の忍さんに頼んだ。大学生にもなれば、ほかの部員とともに会場まで行くことが多い。だが、大橋はあえて一人、別行動をとっていた。「顔色は悪そうだし、どうしてんだろうな」。滋賀から東京に応援に駆けつけた忍さんの不安は的中した。200㍍個人メドレーは、エントリーした40人中最下位で予選敗退。中学生も負ける惨敗だった。「泳いでも泳いでも記録が出ない。『暗黒期』だった」と大橋は振り返る。後に極度の貧血とわかったが、当時は原因がわからず、悩んでいた。スタートしたばかりなのに、400㍍を泳いだ終盤のような疲れが襲ってくる。もどかしさを感じた。チームメイトから「気持ちの問題だ」と言われても、聞く耳を持てず、反発した。気づけば、いつも一人で帰るように。「下を向きすぎて、首の後ろが痛くなった」
5月の記録会を終え、東洋大の平井伯昌コーチに「もう無理です。やめます」と言った。「記録が出ないとダメ、ではなくて、そういう自分の弱い部分をまず、見直さなきゃいけなんじゃないか」。平井コーチは大橋に声をかけた。寮で少しでも笑うように、とコメディ映画「謝罪の王様」のDVDを手渡した。そんなコーチの言葉が胸に響いた。「それまでは、自分のダメな部分ばかり探して、ネガティブになっていた」と大橋。
「1度調べてもらった方がいい」と言われ、秋に地元の病院へ。血液検査で貧血と判明したころから、気持ちの持ち方も変えていった。「ダメな自分も受け入れるというか、それでもがんばろうと思えるようになった」食生活を改善し、アサリなど鉄分を多くとるようになった。体調の回復とともに練習量が増え、記録が徐々に伸びていった。 (照屋健)

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