8月26日 不漁の前年よりは上向き でも低調予測

朝日新聞2018年8月22日3面:さらに東でなんとかとります 大型船によるサンマ漁が20日始まり、本格的なサンマの季節がやってきた。国の研究機関は、極端に不漁だった昨年より上向くものの、今年も低調な傾向が続くと予測する。日本の漁船は、遠く離れた公海での漁に活路を見いだす一方、政府は国際的な魚獲規制のルールづくりを急ぐ。サンマ漁は小さな船から順番に解禁され、20日から大型船が出港した。北海道根室市の花咲港には20日、先に解禁された中型船15隻の計約216㌧が水揚げされた。「今年は今のところ、空で戻った船はいない。昨年よりは水揚げが良くなると期待している」。大型船1隻と中型船2隻で操業する飯作水産(根室市)の飯作鶴幸社長は話す。サンマは北太平洋を回遊し、夏から秋にかけて産卵のために日本の沿岸を南下する。秋の味覚と言われるのはこのためだ。だが、近年は日本沿岸で不漁が続いている。飯作社長によると、20日時点の漁場は千島列島ウルップ島側あたりと、まだ遠い。花咲港から片道で30時間ほどかかってしまう。これから魚場が沿岸に近づいてくるのを期待するが、「寒流と暖流の勢力バランスの変化で南下が遅れたり、魚場が離れたりすることもある。海流の状況から目が離せない」という。
 なぞの不漁長期化 水産研究・教育機構の調査によると、今年の資源量は、激減した昨年より増えているが、200万㌧台前半で、2010年以降でも少ない方だ。東北区水産研究所資源管理部の巣山哲・浮魚・いか資源グループ長によると、サンマの不漁期間は通常3~5年だが、現在の不漁は2010年からで、長期化している。不漁が続くメカニズムはよくわかっていない。巣山さんは「10年を機に魚場が東方の公海にずれた」と指摘する。そのうえ、太平洋沿岸を南下してくる沿岸のサンマも北海道沖にできた暖水塊を避け、遠方に遠ざかっているという。「沿岸で水揚げが期待できる最盛期も、今は遠方まで行かなければとれない」不漁が続くなか、大型船などは日本に近づく前の5~7月、1千㌔以上東の公海での漁に活路を見いだそうとしている。漁獲の中心を担う全国さんま棒受網漁業協同組合(全さんま)所属船の魚期は8~12月と決められている。しかし、水産庁は、ロシア海域でサケ・マス流し網漁が禁止されたことの代替として、16年から公海での期間外のサンマ漁を試験的に認めた。全さんまは採算面のめどが立ったとして、来年から通年の公海サンマ漁を認めるよう水産庁に要望している。
資源管理が重要に 公海でのサンマ漁は、台湾や中国が先行する。台湾は02年ごろから公海での漁獲を増やし、13年に日本の漁獲量を上回ったほか、中国も12年に公海での漁に参入した。沿岸国の規制が及ばない公海での漁獲が増え続ければ、資源の減少につながりかねない。17年は台湾、中国も漁獲量が前年より減っており、国際的な資源管理の重要性が増している。日本、中国、台湾など8カ国・地域が参加した7月上旬の「北太平洋漁業委員会(NPFC)」の年次会合では、サンマ漁の規制が焦点になった。日本は公海での漁獲制限を提案し、台湾やロシア、韓国など5カ国・地域が賛同した。しかし、中国は「NPFCの科学委員会で資源評価が合されていない」と反対。資源評価をはっきりさせ、来年7月の年次会合での合意を探ることになった。農林水産省幹部は「資源管理をしっかりやる方向で、1歩でも2歩でも実現できるよう調整を進める」と話す。(神村正史、山村哲史)

 

朝日新聞ASAの伸光堂西部販売 森林文化協会

ご予約・お問い合わせはお気軽に

Tel0120-740-276

〒352-0011 埼玉県新座市野火止8-14-29

ページトップへ戻る