8月23日てんでんこ 西日本豪雨「5」店の役割

朝日新聞2018年8月18日3面:町と災害協定を結んでいない店舗が、いざという時に役に立った。 災害時、特に小さな集落では、住民は大きく丈夫な建物に逃げこみたい。広島県坂町小屋浦では小学校や保育園などが緊急の避難場所に指定されていたが、川沿いにある。7月の豪雨で、280人の住民が大型店舗「広島ベイサイドフォート」に一時避難した。屋上にある400台収容の駐車場には、避難者やボランティアの車がなだれこんだ。町は施設を管理する「アサガミ」(本社・東京)の広島営業所とは災害協定を結んでいなかったが、そのまま無料駐車場になった。
平日はボランティアの少ない小屋浦も、休日は各地から車が入り、客が駐車できなくなる。テナント「ナフコ」の責任者、村上充高(41)は「復旧作業に役立つならやむを得ない」容認しつつ町に対応策を求めている。そこから800㍍ほどの場所には「災害対応の店」と壁に大きく表示されたコンビニエンスストアとガソリンスタンドの合築施設がある。5月下旬に開店し、町と災害協定の文言を詰めているところへ水害が起きた。だが、実際は、その内容以上の対応をした。
豪雨が襲った7月6日夜、土砂崩れで道路が寸断され、孤立した車で駐車場が埋まり、路肩にも車列が続いた。停電すれば給油機が作動しないが、貯蔵している灯油で自家発電して供給できた。水洗トイレも使えたし携帯電話も充電できた。何より「周囲に明るい場所がなかったので安心できた」と喜ばれた。
同じような店舗は「綜合エナジー」(広島県府中町)が県内に5位店舗展開している。防災担当の服部洋(54)は、神戸市の実家が阪神大震災で被災した経験を持つ。「防災拠点の観点でいろんな機能を集めた方が地域の役に立つ」と備蓄の強化などを検討する。坂町の店長、寿村順一(30)も「支援情報の掲示などもっとできることはあった」と振り返る。店は、コミュニティーの再生にも重要だ。小屋浦でボランティアを仕切る「おいちゃん」(66)は「『復興食堂』を開きたい」と場所を探す。東日本大震災後、仮設食堂で内外の人々が語らい、復興を考える場になったのを見ているからだ。しかし、その段階になかなか進めない。お盆時期にボランティアが増えたが、ま土砂撤去完了のめどは立たない。「自己資金も体力も限界」とおいちゃんは、今日もため息をつく。(東野真和)

朝日新聞ASAの伸光堂西部販売 森林文化協会

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