8月20日 変わる大学入試 文科省、各大学に要請

朝日新聞2018年8月15日22面:高校の調査書 活用に課題 教員が判断 公平性は 2020年度から始まる大学入試改革の一環として、文部科学省が一般選抜でも高校の調査書を積極的に活用するよう求めている。受験生を多面的に評価するための試みだが、高校が生徒の日常の活動をどう記すのかや、大学がその記述をどう評価するかなど、課題は多い。「調査書をどうすれば公平公正に作れるのか。現場の関心は、そこに集中している」 都立白鷗高校の善本久子校長は今夏、生徒の学習評価をめぐる文科省の有識者会議でこう発言した。今回の入試改革には、知識だけでなく「主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度」も評価しようという狙いがある。文科省は昨年、各大学に対して、受験性の多い一般選抜でも調査書を積極的に活用し、活用方法を募集要項に明記するよう求めた。調査書の枚数は無制限とし、高校にも特技や部活動、取得資格などを具体的に書くことを促している。
文科省大学入試室の担当者は「高校3年間の学びの過程を、入試で見ない手はない。各大学の方針に則した評価手法を考えてほしい」と語る。例えば入試で教科の点数が並んだ時に調査書を比べたり、特定の活動について加点したりすることが考えられるという。だが、高校から戸惑いの声が聞こえる。香川県立観音寺第一高校の石井裕基教諭は「どんな活動をどう記すかは、教員の判断によって変わり、一律に評価できないでは」と話す。愛知県の高校教諭は「教員によって記述量が違うと不公平になりかねず、頭が痛い」と打ち明ける。20年度の入試を受ける生徒は既に高校に入り、1年の1学期も終わっている。京都府立高校の教諭は「記述欄が増え、枚数が無制限となると、高3の秋はいったいどんな作業量になるのか」と心配する。
合否判定に使わぬ大学も 大学も悩んでいる。調査書はこれまでも受験の際に提出を求めており、AOや推薦入試では判定にも用いている。だが、膨大な人数が受け、合否判定の時間も限られている一般選抜では「高校の在籍などを確認する証明書的な扱い」(大学関係者)という。活用方法の課題も多い。関西大入試センター副所長の脇田貴文・社会学部教授らが同大に提出された6千枚以上の調査書を分析したところ。特別活動や部活動の記述と、入学後の成績の間に関係は確認できなかった。また、生徒会役員や部活動の名称は高校ごとにばらばらで、記載ルールがないため記述のぶれも多い。脇田教授は「記載内容がどこまで妥当で、公平な評価ができるかは問題をはらむ。このままの状態だと混乱が広がる」と懸念する。
早稲田大は20年度の一般選抜で志願者に「主体性、多様性、協働性」の経験を書かせるが、合否判定には使わない。調査書の記述内容の活用法も未定という。「記述欄を大きくすると、学校や教員間の格差が広がりかねない。日程を考えても無理がある」と入試開発オフィス長の沖清豪・文部学術院教授。「調査書の電子化が可能になる段階で活用方法を検討したいと話す。

朝日新聞ASAの伸光堂西部販売 森林文化協会

ご予約・お問い合わせはお気軽に

Tel0120-740-276

〒352-0011 埼玉県新座市野火止8-14-29

ページトップへ戻る