8月18日てんでんこ 西日本豪雨「1」土砂撤去

朝日新聞2018年8月14日3面:「うちの家を見捨てる気か」。ボランティアを派遣しようにも、人が足りない。 「うちの家を見捨てる気か」広島県板町小屋浦4丁目。自宅に土砂やがれきが流入し、20日経っても撤去を手伝うボランティアが来ないことを、携帯電話の向こうで怒る男性。第2町内会長の大平利雄(74)は「顔を見て事情を話さんと」と、男性のいる避難所へ向かった。7月6日夜、天地川上流の砂防ダムを破壊した土石流は約160戸ある4丁目を襲い、10人が死亡・行方不明になった。7軒が家ごと流され、他の大半の家も土砂で埋まった。小屋浦の高齢化率は40%を超え、手を借りねば撤去できない。小学校にできた救護室前には、疲れた高齢者が朝から列を作る。4丁目には3荷の町内会長がいる。各戸の安否と被害状況を調べ、被害のひどい家や高齢者世帯を優先してボランティアを派遣するが、人が足りない。休日こそ100人前後が訪れるが、平日は数人の日もある。
板町は広島市と呉市の間にある人口1万3千人ほどの町。ふだんは広島市から車で30分かからないくらいだが、土砂崩れのため、集落に来る道は国道31号しかなく、平日の朝は大渋滞する。移動には時間をかけるより長く作業したいと、広島市内で活動する人が多い。私も最初、同市内から車で3時間かけて現地に来た。ボランティアは2人だけ。取材を後回しにして加わることにした。
75歳の一人暮らしの女性宅に案内された。鼻を突く悪臭を放つ土砂に木の根や生活用品が混入し、スコップの先が入っていかない。そのうえこの暑さ。10分作業したら10分休まないと持たない。約2時間の作業で2㍑の水を飲みほした。午前はボランティア2人、午後から住民の女性やその長女も加わり、夕方まで続けた。だが、ひざの高さほどの土砂を畳1枚分しか取り除けず、無力感が残った。環境省は7月20日、土砂混じりのがれき撤去費用を全額補助する事務連絡を被災各県に出した。ただ、業者を待っていられるか。各地で頻発する土砂災害。もっと復旧作業をスムーズにできないだろうか。(東野真和)
=文中は敬称を略します  ◇7月に西日本を襲った豪雨。被災現場の実情を報告し、課題を探ります。今週は広島県板町で1週間、「半取材・半ボランティア」をした記者が報告します。

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