8月16日てんでんこ 九州と豪雨「20」後方支援

朝日新聞2018年8月11日3面:受け継がれる被災の経験が、災害を乗り越える力になる。 福岡県朝倉市佐田の廃校になった小学校跡に5月下旬、九州北部豪雨の被災地でボランティアを受け入れる団体の代表らが顔をそろえた。「黒川復興プロジェクト」の柏田智(43)や「東峰村農援隊」の高橋弘展(34)の姿もあった。開かれたのは、草刈り機の安全講習。座学と実技で3時間半、草刈りのニーズが高まる夏場に威力を発揮する機具を使いこなすため、事故防止のポイントがたたき込まれた。先生役は、福岡県八女市黒木町のNPO「山村塾」事務局長の小森耕太(42)。もともと森林や棚田の保全を目指して発足した団体だが、2012年の九州北部豪雨で活動地域が被災し、その後の2年間でのべ3500人のボランティアを受け入れた経験を持つ。
17年に再び襲った豪雨の直後には、旧知の柏田にボランティア受け入れのノウハウを伝えるなど、先を見越して被災地復興のリーダーらを支える「後方支援」を担った。「ボランティアが途切れることなく活動している姿を、地域の人たちに見せ続けることが大事」。支援活動は、くじけそうになる被災者への心理的な影響も大きいと小森は強調する。八女市星野村のNPO「がんばりよる星野村」理事長の山口聖一(68)も動いた。
17年の豪雨発生から2日後、向かったのは朝倉市の農産物直売所。国の史跡「三連水車」近くの国道沿いにあり、新鮮な地元野菜などが人気を集めていたが、大量の流木や土砂で駐車場が埋まっていた。「集客力のある直売所が早く立ち上げれば、復興のトリガー(引き金)になる」。チェーンソーを持ち込んで流木を片付け、豪雨から20日後の7月25日、営業再開にこぎ着けた。山口は12年、横浜市から星野村にUターンした直後に豪雨に見舞われ、復興に取り組んだ。6年たつ今も村で地域づくりを進めている。「被害に遭った自分たちだからこそ、被災地に何が必要か想像できる」天災が忘れる間もなくやってくる時代。豪雨が多発する九州は、リスクと向き合う「先進地」だ。幾重にも受け継がれる被災の経験が、次の災害に備え、乗り越える力につながっている。(江崎憲一)
◇「九州と豪雨」は終わります。

朝日新聞ASAの伸光堂西部販売 森林文化協会

ご予約・お問い合わせはお気軽に

Tel0120-740-276

〒352-0011 埼玉県新座市野火止8-14-29

ページトップへ戻る