8月14日てんでんこ 九州と豪雨「18」災い転じて

朝日新聞2018年8月9日3面:「ピンチをチャンスに」。復旧の先を見据える若者たち。 大分自動車道・杷木インターチェンジの入り口近く。福岡県朝倉市杷木古賀の高台に「ふれあい農園 くぐみや」はある。この夏、サツマイモやこんにゃく芋が青々とした葉をつけた。使われなった柿畑を地元住民らが耕し、今春、野菜などを植え付けた。2017年の九州北部豪雨で近くを流れる寒水川が氾濫した。眼下には今も濁流にえぐられた住宅が痛々しい姿をさらす。久喜宮と呼ばれる一帯の地名をつけた農園は、避難生活を続ける住民らが集う復興の拠点。土地を提供する御所学(67)は「収穫した作物で、将来は朝市を開きたい」と語る。
この農園の運営をサポートするのは「地元応援隊ひまわり」。地元の若い世代が、「外部のボランティアがかりには頼れない」と立ち上がってできた支援団体だ。代表の望月文(39)は朝倉市出身。脱サラして地元にカフェを開く予定で、ボランティアとは縁遠い生活を送ってきたが、被災地で畑を流されて途方に暮れる農家に出会った。「数ヵ月でどうにかなる災害じゃない。長期的に支える方法を考えないと」。被災農家の柿や梨を個人で買い取り、イベント会場などで販売することから活動を始めた。次に、サラダなどに加工した農作物を直接オフィスなどに届ける福岡市のベンチャー企業と連携した。企業が農家から農作物を直接買い取るようにして、安定した取引の仕組みをつくった。今年3月には農作物の作業場を自宅に整え、加工も地元でできるようにした。使用料は「ひまわり」の運営資金に回す。立ち上がった若い世代は、一地域にとどまらない。朝倉市杷木林田の東林田地区に暮らす20~40代が集まってできた「東林田Lover’s」。代表の塚原健児(33)は、子どものころに遊んだ赤谷川沿いの桜並木を取り戻す夢を描く。被災したことで「若者も意見を言ってくれた。24時間で829㍉の記録的な豪雨を観測した朝倉市黒川には「黒川復興プロジェクト」がある。代表んも柏田智(43)らが、果樹や水路の土砂出しなどのボランティアを続けながら、里山の保全に向き合う。望月は言う。「災害があつたからこそ、できることもある。ピンチをチャンスに。いまこそ地域おこしの種をまいておきたい」。見据えるのは復旧、復興の先だ。 (江崎憲一)

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