7月9日てんでんこ 自然エネ100%「20」研究者

朝日新聞2018年7月5日3面:福島に行かせてほしい。次のエネルギーのために「貢献したい」。 秋田県湯沢市の山中で、福島再生可能エネルギー研究所(福島郡山市、FREA)の上級主任研究員、村田泰章(58)は通りすがりの人によく「何をやっているんですか」と声をかけられる。路上で地中の構造や地下水の探索をしている姿が珍しいからだ。村田は必ず丁寧に答える。「これから始める地熱発電のために、地下を調べているんですよ」
湯沢市の国有林では、電源開発などの山葵沢地熱発電所(4万2千㌔ワット)の計画が進む。運転開始は来年の予定だ。共同研究をする村田は、発電後の地下状況の変化を捉えるため、高さ40㌢ほどの金属製の精密な計測器を使って周辺を調査している。「地熱発電がこの地域で安定的に持続することともに、地熱への理解が広がってほしい」という。FREAは、国立研究開発法人の産業技術総合研究所(産総研)の下部研究拠点として、2014年4月に郡山市の工業団地内に新設された。太陽光や風力、水素などの7チームが、発電コストの削減やエネルギーの貯蔵などを研究している。「開かれた再生可能エネルギーの研究開発の推進」と「新産業の集積を通した復興への貢献」を指名に掲げる。
村田は産総研つくばセンター(茨城県つくば市)で資源開発や防災のための地下探査を研究していた。原発事故の惨禍に見舞われた福島に「行かせてほしい」と手を挙げたのは、福島県三春町の出身だからだ。全国に先駆けて脱原発を進める福島の次のエネルギーのために、「なにがしかの貢献をしたい」と思って申し出た。FREAの研究スタッフは、企業研究者や大学院生などを含めれば387人。研究センター長の古谷博秀(53)は、自然エネルギーの研究所としては「世界有数」と胸を張る。福島大学や東北大学など被災3県の大学との共同研究にも積極的で、昨年度だけで20件。被災3県の企業への技術支援は昨年度までに107件を数えた。村田は、地熱調査井戸や温泉の温度や深さを全国的に網羅するデータベース化を進めており、今年度中に公開する。基礎的なデータは、民間企業や地方自治体が地熱を利用する際の道しるべになる。「地熱発電には、特に温泉について住民の不安がある。理解を広げて、福島や東北から自然エネルギー社会への流れを加速させたい」 (奥村輝)

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