7月5日てんでんこ 自然エネ100%「17」未来

朝日新聞2018年6月30日3面:「爆発しない安全なエネルギーが必要」。被災地の高校生は将来を見据える。 福島県広野町のふたば未来学園高校では水曜午後に「未来創造探検」の時間がある。「この部分、発電機に取り付けたら使えるんじゃない?」。3年生の永井健一郎(17)が他の4人に声をかけた。5人は、小水力発電のため、校内で不用になった自転車を解体し、再利用できる部品を探していた。
消費エネルギーをゼロにする「ゼロ・エネルギー・ハウス」では飽き足らない。歩行の振動を電力に変えるなどして、使う以上のエネルギーを生み出す「プラス・エネルギー・ハウス」のアイデアを練る。小水力発電もの一つだ。専門家の話を聞いたり、専門書を読んだりして、発電機の仕組みなどを学ぶ。
未来創造探検は、地域の復興のため国際的に活躍するリーダーを育てるのが狙いだ。2年後に原子力防災など6テーマから生徒自ら題材を選び、課題の解決をめざしていく。同校は東日本大震災後の2015年4月に開校した。今春初めての卒業生となった1期生は、国連本部を訪問したり、ドイツで自然エネルギーによる街づくりを学んだりした。今の3年生も、町のイベントで小学生が電子基板を工作するのを手伝ったり、県主催のエネルギーに関するシンポジウムに参加したりしている。担当教諭は「全国的な研究コンテストなどにも挑戦したい」と話す。
永井がリーダーを務める再生可能エネルギー探究班の3年生は15人。福島第一原発が爆発した時は小学4年生だった。原発から約25㌔北にある南相馬市に住んでいた永井は、約100㌔離れた会津若松市に避難した。生徒の多くは避難を体験し、今も避難先から通う生徒がいる。「事故は怖かった。だから爆発しない安全なエネルギーが必要。自然エネに切り替えた方がいい」と永井は言う。発電量が変化しやすく、日本ではまだ発電コストが高いという自然エネの弱点も学んだ。だが、小松来紀(18)は「問題が解決できれば、どんどん自然エネの利用は広まっていく」と、自分たちも自然エネ100%に努力したいと話す。「そんな世界がひっくりかえるような日が、福島が復興した未来に実現するよう頑張りたい」と永井は言う。3年生は9月、自分たちが取り組んできた成果を発表し、探検に一区切りつける。その先には確かな将来を見据えている。 (奥村輝)

朝日新聞ASAの伸光堂西部販売 森林文化協会

ご予約・お問い合わせはお気軽に

Tel0120-740-276

〒352-0011 埼玉県新座市野火止8-14-29

ページトップへ戻る