7月25日 サザエさんを探して

朝日新聞2018年7月21日be3面:プロポーズ「求婚」から「決意表明」へ プロポーズといえば、記者の心に残るのは、あの大ヒット韓国ドラマ「冬のソナタ」の一場面だ。チュサン(ペ・ヨンジュ)が、教会で祈りながら恋人ユジン(チェ・ジウ)の横で語り出す。「愛する人がいます。おじいさんになるまで、彼女と一緒にいたい。彼女と僕に似た子供たちの父親になりたいんです・・」。そしてネックレスをユジンの首にかけ、「僕と結婚してくれる?」。さて、約50年前のこの漫画。マスオさんの同僚がプロポーズに失敗した。今と状況は違うにしても、さすがに「ボクの家のお墓に入りませんか」は頂けない。
結婚情報誌「ゼクシィ」編集長の平山彩子さん(34)に漫画を見てもらった。注目したのは、出だしの「もしおささしつかえなければ」という男女の距離感だ。「こういうプロポーズは、今はほとんでないでしょう」。プロポーズ前から同居するカップルが増え、既に「結婚」が話題になっていることが多いからだという。2016年の同誌の調査でも、「結婚が決まる前から同居」と回答したのが、25~35歳は39.2%いた。
そこで求められるのが、サプライズ性だという。「単に『結婚しよう』だけでは、『あー、そうだよね』で終わってしまいますから」と平山さん。同誌編集部に、事例を紹介してもらった。「ヘリコプターに乗り、上空で指輪とともにプロポーズされた」「デートしてホテルに帰ると、入口からキャンドルが並べられていて、奥には花束と指輪があった」・・。まるでドラマの世界。でも、これで驚いてはいけない。最近は「シェアプロポーズ」とやらが、増えてきているそうだ。
「家族や友人ら周囲の人を巻き込んだプロポーズのことです」。ゼクシィが協力した企画では、通行人に扮した劇団四季の団員が、突然ミュージカルを踊り出し、彼も一諸に踊りプロポーズした。今の若い男子は大変だなあ、と思っていたら、平山さんから安心する一言を頂いた。「派手じゃなくていいんです。手紙を渡すとか手が込んでいれば、彼女も喜んでくれるはず。シェアプロポーズも、彼女の親や親友の動画をとって、といった形でいいですよ」さらに、これからブームになりそうなのが「ツインプロポーズ」。男女がお互いの気持ちを伝え合う、新しいプロポーズの形だ。例えば女性から「結婚しない?」と言ってきたら、男性も「幸せにするよ」と返す。「プロポーズは結婚の申し込みでなく、2人の決意表明だ」という意識が、今の若い人たちは強いのだという。記者の時代とは、変わったなぁ。
心理学的にみると、どんなプロポーズがいいだろう。「男と女のアドラー心理学」(青春出版社)の著書があるカウンセラー、岩井俊憲さん(70)に聞いた。プロポーズを成功させる5条件として挙げたのは、①五感に訴える ②相手のメリットを重視する ③近未来をイメージさせる ④目標がしっかりしている ⑤時に意表をつくーー。 そういう意味では、冒頭のヨン様のプロポーズは完璧といえそうだ。
言葉の使い方としては、はっきり指示・依頼を伴う形が望ましいのだという。「一緒に暮らせればいいね」などではなく、「人生の絶頂を極める道を共に歩もうよ」といった形がいいそうだ。プロポーズには、演出が必要な時代かもしれない。しかし、明確に言葉で意思を示すことの重要性は、いつの時代も変わらないような気がする。
(佐藤陽)

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