7月13日 一人だけど独りじゃない

朝日新聞2018年7月10日33面:自分を起点につながる「ゆるい家族」 「単身社会」で孤立せず、前向きに生きていこうと、つながり合い、支え合う仕組みを模索する女性たちがいます。「どう、大丈夫?」6月中旬、大阪北部地震の発生直後から、京都市のウォーキングセラピスト、澤野ともえさん(42)の携帯電話に安否を尋ねるメッセージが続々と入ってきた。相手は「ゆるい家族」のような仲間たちだ。澤野さんは独身。30代半ばまでは婚活に熱心で、友人の紹介や見合いで何人もの男性と会った。結婚を約束した人もいたが、両親が離婚していたこともあり、「石橋をたたきすぎ、渡れなかった」。
30代後半になって、一度立ち止まり、「今の自分」について考えた。友人や家族とおいしい物を一緒に食べたり、仕事で客が喜んでくれたりしている。「結婚して家庭を持たなくても、今、幸せやん」。結婚に対する思いが吹っ切れた。一方で、結婚せず、今後1人で生きていくことを考えると、老いていく自分への漠然とした不安を抱くようになった。もし、病気になったら。孤独死するのではー。そこで、気の合う友人たちに「将来も見据えて、意識してつながっていこう」と呼びかけ始めた。声をかけるのは独身の友人だけに限らない。今は家族がいても死別や離婚で1人になることだってあるからだ。これまでに、既婚者を含め、仕事や趣味などでつながる年齢も性別も違う10人ほどと「ネットワーク」を作り、食事会などをする。澤野さんは「日ごろからつながり、いざという時に家族のように支え合える関係を作っていきたい」と話す。
仲間と話せる不安解消の場 6月の日曜の午後、「NPO女性おひとりさまの会」(福岡市)の事務所に3人の女性が集まり、昼食を食べながら話を弾ませていた。いずれも独身の会員だ。1人が新しい習い事に行った時の話を披露。子どもや夫のことを尋ねられ、「1人です」と答えると周囲が沈黙してしまった、と話した。2人は「そうそう。子や孫の話をされてもねえ」とうなずいた。会社員の女性(54)は「ここで気兼ねなく色々な話ができる」と話す。
この女性が会に参加するようになったのは5年ほど前。新聞のお知らせ欄で知った。「もう結婚はないかな」と思っていた時期だった。女性は一人っ子。一緒に暮らしている79歳の母親が亡くなれば、家族がいなくなる。女性1人で生きていくと直面する問題とは? どんな備え、心構えが必要なのかー。会に参加すれば、そんな疑問に答えてくれる「先輩」と出会えるかも知れないち思った。会の代表を務めるのは曽根田絹代さん(59)。夫を病気で亡くし、同じ境遇の仲間と8年前に会を立ち上げだ。現在、独身者や死別、離婚で1人になった50~70代の女性約20人が参加する。会費は月千円。
ひとり暮らしに役立つ行政の情報などを提供する定例会や小旅行、食事会、サークル活動などを通じて交流を深める。お盆やクリスマスなど世間が家族で過ごす日には、会でもイベントを開く。希望する会員には、電話で日々の安否確認もする。曽根田さんは「病気、入院、災害など、単身者にとっていざという時の不安は尽きない。支え合う仲間を作り、不安を解消するための手立てを一緒に考えながら、残りの人生を楽しく過ごしたい」と話す。(斉藤純江

 

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