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朝日新聞2018年6月27日3面:磐梯・吾妻・安達太良の資源開発。「環境に優しいエネルギーと言えるか」 「宝の山」と謡われた磐梯山のふもとに、猪苗代町役場はある。6月はじめ、会議室に集まった同町と磐梯町、北塩原村の3町村長に対し、出光興産の担当者が伝えた。「地熱発電調査を休止したい」 出光興産など11社のチームが2年前から進めていた磐梯山周辺での掘削調査で、地熱を取り出す水が見つからなかったため、調査をやめて埋め戻す。担当者はそう報告した。
出光のほか、三菱商事、三井石油開発などのチームは2012年、国内最大の地熱発電所を、吾妻・安達太良山を含めた地域につくる計画を決めた。発電量は、原発1基分の4分の1にあたる27万㌔ワット規模となる構想だ。世界第3位といわれる地熱資源量をテコに開発を推進する政府方針を背景に、地元との話し合いを始めた。だが、温泉関係者らの強い反対で暗礁に乗り上げ、磐梯地区の一部に限定して調査をした。猪苗代町長らに休止を報告した席で、担当者は付け加えた。「吾妻・安達太良地域に働きかけを始めます」 猪苗代湖から福島市の高湯温泉までは、磐梯山の東側を北上、安達太良山の西から吾妻連峰へ抜ける約70㌔の道のりだ。その日、高湯温泉の吾妻屋社長、遠藤淳一(63)は、ちょうど源泉から宿へお湯を導く「湯樋そうじ」を終えて帰ってきたところだった。
旅行情報誌「じゃらん」の秘湯部門で日本一になった白濁の硫黄泉は、湯花が樋につまるため、週に一度は掃除が必要になる。「優しいお湯になれ、って愛情をもってこするんですよ」 遠藤は、地熱開発計画が持ち上がった12年春、周辺の温泉の代表者らとともに「磐梯・吾妻・安達太良地熱開発対策委員会」を立ち上げ、反対した。「地中深くに何本も井戸を掘り、発電物質を取り出した後は、硫化水素やヒ素などの有害物質をまた地中に戻す。環境に優しいエネルギーと言えるんですか」 開発業者と地元代表が話し合う「福島県における地熱資源開発に関する情報連絡会」は15年秋以来、休眠状態だったが、年内にも再開されることになろそうだ。高湯の源泉は9本とも自噴泉だ。くみ上げはしないとの協定もある。遠藤は地域と協力できる道はないかとも考える。ヒントは隣の土湯温泉で進行していた。(菅沼栄一郎)

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