6月30日 新聞を読んで 水野剛也

東京新聞2018年6月24日5面:もの言わぬ読者の声を ちょうど1年前、本欄執筆を依頼された際、目指したいのは「もの言わぬ読者」のつもりで書くことでした。いかにも研究者然とした「大文字」のジャーナリスト論ではなく、ごく普通の、特別な事情がない限り声をあげない大多数の一人として紙面批評をしようと思ったのです。
どの世界でも、サイレント・マジョリティーこそが屋台骨を支えているのに、逆に最も軽視されている。そんな問題意識からです。そこで、本紙について、「もの言わぬ読者」の代表として妻に「ぶっちゃけ」てもらいました。
・「こちら特報部」は欠かせない。問題意識が鋭敏で読み応えがある。誕生50年の節目に特報部長が書いた舞台裏の苦労話(3月12日)でその思いを強くした。
・秀逸な女性寄稿者が多い。特に「本音のコラム」(特報)の斎藤美奈子、師岡カリーマ、「時代を読む」(日曜・社説発言)の貴戸理恵各紙氏は視点が斬新で、深く考えさせられることが多い。
・「あの人に迫る」(土曜・インタビュー)は意表をつく人選で楽しみ。学校給食研究家の吉原ひろこ氏(3月31日)、スウェーデン出身で日本茶インストラクターのブレケル・オスカル氏(5月19日)など。
・テレビ欄は一番。全体を見わたせる。他紙との違い中面にあるため、最終面に特集記事が載るのも、得した気分になる。・篠田博之氏の「週刊誌を読む」(日曜・特報)は、週刊誌だけでなくワイドショーを見る手間まで省けて便利この上なし。 ・「かわいい古代」(水曜・夕刊)は、とくに埴輪の回が待ち遠しい。ほのぼのしていて夕刊にぴったり。女性ファンは多いはずで、50回以上続いているはずある。
・しかし、実のことこ最も注目しているのは、「はみだしルンルン」(鹿子裕文、第二火曜・文化娯楽)で完成度の高いイラストを描いている「モンドくん」だ。本名は奥村門土。中学3年生にしてプロの画家。何者なの?
・地方、要工夫だと思うのが「つれあいモノ申す」(水曜・暮らし)だ。単なる熟年夫婦の愚痴コーナーと思われないか心配だ。 ・よく大学教授などが書く、漢字ばかりの「真っ黒」な文章は読む気がしない。最後に、本欄はどうしょう? ・あなたは、自分で面白くしようとしすぎ。他の執筆者は趣旨を外さぬ内容でさすがだけど、本紙にやや肩入れしすぎな印象。ガックリきました。ともあれ、身近な家族の後ろには、南十万人もの方々がいらっしゃる。直言は謙虚に拝聴せねば。これでお別れです。またどこかでお会いしましょう。(東洋大学社会学部教授)
*この批評は最終版を基にしています。

 

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