6月18日てんでんこ 自然エネ100%「5」恩返し

朝日新聞2018年6月14日3面:太陽光発電への農地転用はなかなか認められない。営農型が突破口になった。 福島市の南にある福島県二本松市中里地区の畑で、5月24日、農業と太陽光発電の両立をめざす「ソーラーシェアリング」(営農型太陽光発電設備)の建設が始まった。作業にあたったのは、大内督(44)が会長を務める二本松有機農業研究会のメンバーだ。太陽光パネルはトラクターが入れるように高く設置し、その下に大豆などを植える。
研究会は大内の父親、信一(77)が40年前に立ち上げた。無農薬・有機栽培の作物を産地直送や生協を通じて約300戸の消費者に届けていた。だが、福島第一原発の事故で客は半分以下になった。収入減を補うために計画したのが自然エネルギー発電だった。建設作業を指導するのは、県内で早くから太陽光発電を手がける斎藤広幸(51)。そして、福島県飯舘村に本社を置く飯舘電力の専務、近藤恵(38)がバックアップする。農地転用の手続きや金融機関からの融資などに必要な研究会の法人化は「ほとんど彼にやってもらった」と、督は言う。
東京出身の近藤はかつて信一に誘われて二本松で有機農業を志し、原発事故後に自然エネに挑戦してきた。「大内さんは有機農業の先生で、大型機械も貸してくれた恩人。今後はこちらが恩返しする番」と言う。飯舘電力は2014年の設立以降、農地に50㌔ワット未満の小規模太陽光を建てる計画を進めてきた。飯舘村には放射能に汚染された土を入れたバッグが山積みになっている。当分は作物がつくれず、つくっても売れない。使えない農地の活用になると考えた。
だが、発電所への農地転用を村の農業委員会が認めてくれない。近藤が「大企業のメガソーラーとは違う。地域を守るために村民が出資した事業だ」と説得しても「優良農地なので転用は認めない」の一点張りだ。突破口は営農型の太陽光発電を知ったことだ。先行して営農型を15年3月に建てていたのが、斎藤だった。営農型は農地で耕作を続けるので、農地転用は太陽光パネルを載せる架台の直径20㌢ほどの支柱の部分だけでいい。とはいえ、そのわずかな転用も簡単に認められず、近藤は多くの書類をつくって認可を受け、ようやく16年9月に完成させた。その後の建設は急ピッチで進む。いま飯舘電力が手がける発電所の4割近い13カ所が営農型太陽光発電だ。(石塚広志、石井徹)

朝日新聞ASAの伸光堂西部販売 森林文化協会

ご予約・お問い合わせはお気軽に

Tel0120-740-276

〒352-0011 埼玉県新座市野火止8-14-29

ページトップへ戻る