6月13日てんでんこ 自然エネ100%「2」送電線

朝日新聞2018年6月8日3面:接続保留でつまづくが、小規模な太陽光発電の開発を積み重ねていった。 福島県飯舘村にある唯一の宿泊施設「きこり」で5月下旬、月に1度の飯舘電力取締役会があり、社長の小林稔と役員が顔を合わせた。太陽光発電設備が今年中に約60基、計約3千㌔ワットに達する見通しが報告された。同社は2014年9月29日に設立された。その翌日、東北電力は「太陽光発電設備が増えすぎたので、送電線との接続を保留する」と発表した。テレビニュースで知った小林はあぜんとした。会社立ち上げに先んじて、1500㌔ワットの大規模太陽光発電の建設に向け、7人の地権者から同意書も取っていた。目算が完全に狂ってしまった。その後、50㌔ワット未満の小規模発電なら接続できると聞き、方針を転換する。第1号は15年2月、特別養護老人ホーム脇の村有地を借りて建てた。起工式で、小林は「若い人が戻って来た時の雇用の場をつくり、地元でお金を回すには自然エネしかない」と語った。避難指示が続く村では、どうやって生きていくかの見通しが立たなかった。小規模太陽光とともに、風力発電にも進出を試みた。「太陽は昼だけだが、風は夜も吹く」と考えたからだ。だが、ここでも送電線との接続問題が行く手を阻む。同社は15年7月、東北電に接続検討を申し込んだ。村東部の山林に2千㌔ワットの風車を建てる計画で、地権者の同意も得た。約1千万円かかる風況調査費用は、福島県が半分補助するという。
3ヶ月後に東北電に呼び出され、口頭で伝えられた。「接続するには送電線の増設や変電所の改修の工事に約21億円の費用と5年以上の月日がかかる。今取り下げれば申込金20万円は返す」。住民出資による零細企業に払える額ではない。やむなく断念した。小規模設備を増やすしかなくなったものの、計画中を合わせればすでに当初予定の2倍になった。「小さくても、積み重ねると大きくなるもんだ。金もかからず、かえってよかったかもしれない」と、小林は振り返る。設備の4割近くはソーラーシェアリング(営農型発電設備)が占める。パネルの下は牧草を植える。牛を飼うことも検討している。自然エネと農業との循環が実現する。ただ、小林は「バクチのようなことをやってはだめ。せめて50基にならないと」という。そのハードルも間もなく越える。(石井徹)

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