5月7日 陸自離島配備

東京新聞2019年5月6日5面:住民の理解なしでは 南西諸島への陸上自衛隊配備を巡り、防衛省による不誠実な住民対応が目立つ。配備は中国の海洋進出への対抗策というが、住民の安心をないがしろにして、地域の平和を守るといるのだろうか。防衛省への住民の不信が噴出しているのが、沖縄県宮古島市だ。3月下旬、陸自駐屯地が開設され約380人の警備隊が発足した。ところがないはずの弾薬庫が敷地内に造られ多目的誘導弾(ミサイル)や迫撃砲が搬入されていたことが判明した。弾薬保管なしを条件に、反対から容認に転じた周辺住民にとっては「だまし討ち」だろう。4月、隊旗授与式に訪れた岩屋毅防衛相は「説明不十分だった」と謝罪。陸自は誘導弾などを島外に搬出した。駐屯地には来年以降ミサイル部隊も加わる。同部隊のミサイルなども含め、島内の別の地区に造る弾薬庫が完成次第集約する計画だが、その現地でも地区が弾薬庫整備に反対している。防衛省は住民軽視を猛省し抜本的に対応を見直さねばならない。
沖縄石垣市では、島の中央部に地対艦・地対空誘導弾部隊など500~600人の駐屯地を設けるための用地造成が3月に始まった。地元4地区が、軍事標的化や希少動植物の生態系への影響を懸念し反対する中での着工だ。住民側は、4月以降なら義務付けられる環境影響評価を避けるため着工を急いだのではとも指摘している。事実上容認の姿勢だった中山義隆市長は3選後の昨年7月、受け入れを正式表明した。しかし、反発する住民は民意は定かではないとし、有権者の4割の署名を集めて住民投票を請求。投票実施のための条例を今年2月の市議会で賛否同数の末、議長採決で否決されるも、際どい結果に論争は収まらない。市側はもう一度慎重に住民の意思を見極める必要がある。政府は2013年の防衛大網で西南地域の防衛体制強化を打ち出し、沖縄本島のみの配備だった陸自を他の沖縄3島と鹿児島県奄美大島へ展開する方針を決めた。ただ、離島を結ぶ軍事拠点が地域の安全保障に役立つのか。沖縄では中国人観光客の増加が著しい。政治的にも日中関係は改善の兆しが見える。そんな一帯の融和感に水を差すことにならないか。冷戦終結で北方対処の任を終えた陸自が、組織維持のため南西地域に役割を求めたとも読める状況である。何より、狭い島内での自衛隊活動は住民の理解抜きに成り立たないと心得るばきだ。

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