5月5日 湾岸部の五輪渋滞 暮らしに不安

朝日新聞2019年5月3日20面:スーパー・コンビニ品薄? 首都高の広範囲に混雑拡大 東京五輪・パラリンピックの開幕まで500日を切り、東京都や大会組織委員会が期間中の渋滞対策に向けた検討を加速させている。特に深刻な影響が懸念されるのが競技会場が集中する東京都心の湾岸部。コンテナ埠頭を抱えるエリアで、混雑によってはスーパーやコンビニが品薄になる可能性も指摘される。今夏に予定している混雑緩和策の試行が、試金石となりそうだ。
品川区の大井コンテナ埠頭。平日の夕方、周辺の道路にはコンテナ貨物の積み下ろしをするトラックが長蛇の列をつくる。「港が3日止まれば、コンビニから商品がなくなるとも言われている。渋滞対策を講じなければ、暮らしに大きな影響が出る」。港運関係の事業者約180社でつくる東京港運協会の笹川文夫専務理事は、不安を吐露する。大井埠頭を含む輸入コンテナの取扱量が国内1位。食品や衣料など日用品を中心に、首都圏で消費される輸入品の7割が入ってきている。
五輪で、湾岸部には水泳やカヌーなど14の競技会場、選手村、プレスセンターが集中する。普段から混雑する港周辺だが、大会期間中は選手や関係者を運ぶ車両6千台が加わる見通しだ。都の予想では対策をとらなければ、湾岸部を中心に渋滞が広がり、ジャンクションの一部では所要時間が通常の3倍になるなど、首都高速道路の広い範囲で混雑するという。湾岸部には高層マンションや店舗も立ち並ぶ。競技会場近くにも店を置く大手スーパーの担当者は「渋滞がひどければ最悪の場合、生鮮食品を中心に品薄になるかもしれない」。いまは1日3~4回、各店舗に商品を配送。混雑緩和のためには敗走の回数を減らすことが求められるが「多くの人が東京に訪れて需要が高まれば、逆に配送を増やす必要も出てくる」と話す。コンビニも1日に何度も店に食品や日用品が届く。都内で約2400店舗を抱えるファミリーマートは「物流や納品での課題の洗い出しを始めた」(広報担当者)という。都と港湾業者は打開策の一つとして、1日8時間に限定していた東京港のコンテナ貨物の受け渡し受付時間を、大会期間中は12時間に延長する方向で検討している。労働時間の拡大につながるためこれまで延長したことはなかったが、「労使ともに強い危機感がある」(港湾関係者)。本番に向けた試行としえ、混雑が予想される10連休前の4月24日から3日間、受付時間を拡大。連休後の5月7~9日にも実施し、混雑緩和につながるかどうか検証する予定だ。ほかにも都は、渋滞する時間帯を避けて運び出せるよう、船から降ろしたコンテナを無料で保管できる場所を用意しており、今後も拡充する。経済団体などを対象にこれまで30回以上の説明会を開き、通勤時間の変更やテレワークへの協力を依頼。物流企業には運ぶ荷物の削減や時間の変更を求めている。ただ、企業がどこまで応じるかは不透明だ。物流には船会社や運送会社、荷物の送り主など多くの関係者が絡み、時間変更は容易ではない。ネット通販大手からは「現時点ではとくに対策は検討していない」という声も出ている。都と組織委は大会のテストイベントも開かれる今年7~8月、交通量の10~30%抑制を目指す対策を試行し、改めて企業に交通量の削減を呼びかけ、効果をはかる。(末崎毅、土居新平)

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