5月3日 使用済み核燃料巡り福井知事含み

東京新聞2019年4月30日24面:乾式貯蔵問題の先送り プール満杯なので・・「原発継続のための理屈」 各地の原発であふれそうな使用済み核燃料(SF)。電力各社はSFを金属容器に入れ、空冷で冷やす乾式貯蔵施設の新設を目指す。これまで乾式貯蔵を認めなかった福井県でも、7日の知事選で当選した新知事が含みを持たせる発言をした。ただ、乾式貯蔵は問題の先送りで、危険を高めるとの声もある。「県外搬出は堅持」と言うが (大村歩)
「(乾式貯蔵が議論された場合は)地元の意見を聞きながら物事を決めていく」。23日の就任記者会見で、福井県の杉本達治知事はこう語った。それまで4期16年努め、選挙戦で杉本と戦った西川一誠前知事は一貫してSFの県外搬出を主張。昨春の大飯原発3.4号機再稼働に際しては、同意の条件として、関西電力に県外の乾式貯蔵施設(中間貯蔵施設)候補地を示すことを求めた。こうした西川氏の施設に比べれば、杉本氏の発言は「軟化」したともとれる。ただ、杉本氏は「県外搬出という大方針は守っていく」とも話しており、すんなりと乾式貯蔵容認に進むかどうかは不明だ。ただ、いずれにせよ、感電のSF保管状況は厳しいものがある。
福井県内の3原発で、再稼働済の4基と、40年超の運転を目指す3基が全て計画通り稼働すると、6~9年でSFを水で冷やすプールが満杯になる。本来は、六ヶ所再処理工場(青森県)にSFを送ることでプールは空くはずだったが、同工場は歓声が20年以上遅れており、稼働がいつになるか見通せない。原発の核燃料は、1年に1度の定期検査時に交換されるが、プールに空きがなければ交換できず、再稼働できなくなってしまう。同様にプールに余裕のない九州電力玄海原発(佐賀県)、四国電力伊方原発(愛媛県)は、乾式貯蔵施設建設を原子力規制委員会に申請済みだ。そこに関電も追随したのでは、とみられている。
一方、安全性の面で乾式貯蔵を推す声もある。東京電力福島第一原発事故では、4号機のSFが水素爆発を起こす恐れがあったが、電源扶養の乾式貯蔵施設は無事だった。規制委の田中俊一前委員長、更田豊志現委員長とも「乾式貯蔵の方が安全だ」としており、一部の原発立地県ではプールから乾式貯蔵への転換を求める声も強い。これに対し、大阪府立大の長沢啓行名誉教授(システム工学)は「乾式なら安全というのは誤解だ。乾式貯蔵するには、プールで少なくとも5年~10年は水冷し、人肌程度の発熱量にしないといけない。このレベルまで冷めたなら、乾式貯蔵とプールどちらかが安全かという差はない。むしろ乾式貯蔵が進むと、プールでの事故リスクが高まるだろう」と指摘する。原発の稼働が続き、よく冷えたSFが乾式に移ってプールから減っていく一方、放置すればすぐに溶融しかねない使用直後の熱いSFが、次々とプールに入れられる。「それにより、プール全体のSFの総熱量が高まり、電源喪失などで冷却が止まったり、水が抜けてしまった場合の水素爆発などのリスクがより高まる」というのだ。
原子力資料情報室の伴英幸共同代表は「これまで電力会社などが六ヶ所再処理工場の早期稼働を求めていたのは、SFを六ヶ所に引き取ってもらい、原発を動かし続けたいという狙いだったが、六ヶ所のメドが立たないまま、いよいよプールが満杯になりそうなので、乾式貯蔵と言い出した。結局、六ヶ所も乾式貯蔵も、原発を運転し続けるための理屈にすぎず、容認されるべきではない」と語った。

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