5月28日 見張り塔から ジャーナリスト・津田大介さん

東京新聞2018年5月22日4面:「国政モニター」の誹謗中傷コメント放置 政府は運用の実態明らかに ゴールデンウィーク中、インターネットが発火点となり、内閣府大臣官房政府広報室が運営する「国政モニター」というウェブサイト上に不適切な情報が掲載されていることが明らかになった。起点となったのはブロガーのロジ氏が4月30日に投稿した記事「差別デマを拡散する内閣府のプロパガンダ装置」(中略)「国政モニター」は、国の重要施策に関して国民から意見や要望を聴取し、国の行政施策の企画、立案及び実施のための参考とすることを目的としている。このサイト上に在日コリアンへのヘイトスピーチと解される投稿や、鳩山由紀夫元首相など、特定の自分に対する誹謗中傷とも受け止められかねないコメントが大量に投稿され、放置されていたのだ。
問題は不適切な投稿の量が膨大にわたったことにある。極端な意見が集まりやすい、外交・防衛問題だけでなく、さまざまな分野で差別的な投稿や中傷が掲載されていた。そのなかには、2017年2月に法務省が発表した「ヘイトスピーチの典型例」に抵触するようなものあった。サイト上には、モニター募集に際し、誹謗中傷、差別的な内容、そのほか不適切であると判断される意見は提出されても公表しない旨の注意事項も記載されていた。もし、政府広報室が十分にチェックせずにそのまま掲載していたのならば問題であるし、チェックした上で載せたのならば、こうした意見に政府広報室が「お墨付き」を与えた格好となり、より問題は大きくなる。同制度は16年度を最後に募集を止めており、この問題が発覚して以降、政府広報室はサイトそのものを非表示にする対応を行った。
「何があったから消しました」で終わりにするのではなく、なぜ見えるに堪えない投稿が政府広報室のサイト上に大量掲載されてしまったのか、運用の実態を明らかにする必要がある。今回の国政モニター騒動のように、ネット上に差別的な投稿が寄せられる現象は、ソーシャルメディアの発展とともに増えてきたが、最近はネット上にとどまらず、現実社会での言論統制目的で気に入らない弁護士に対して大量の懲戒請求を行う事例が目立つ。背景にあるのはネットの匿名ブログ「余命三年時事日記」だ。16年4月に東京弁護士会が出した「朝鮮学校への適正な補助金交付を求める会長声明」に対する攻撃として、声明を出した弁護士会の所属弁護士らを懲戒請求をする呼び掛け。懲戒請求するためのテンプレートまで、ブログに掲載した。これに対して、懲戒請求された弁護士側が賠償請求や刑事告訴を行う動きが出てきている。朝鮮学校の補助金問題を起点とし、ネット上で大きく展開されたという点で懲戒請求と国政モニターの問題はつながっている。フェイクニュースに扇動され、「炎上」を起こされる側にどのような法的対処が可能なのか。それを示す意味で今回の弁護士たちが提訴した意味は大きい。今後の成り行きに注目したい。

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