5月18日 3回生、不祥事なぜ続く?

東京新聞2018年5月12日26面:大量当選逆風無くおごり 自民・加藤寛氏「3人産んで」 自民党の加藤寛治衆院議員(72)=長崎2区、3期=が「(結婚する女性には)3人以上の子供を産み、育ててほしい」と発言し、撤回して謝罪した。2012年衆院選で初当選した当選3回の同期生には不祥事が目立ち、「魔の3回生」という呼び名も聞こえてくる。なぜ、こうした振る舞いが続くのか。
加藤氏は13日、所属する細田派の会合で、結婚式に招待された際、3人以上の子供を産むよう新郎新婦に話していると説明。「結婚しなければ、人様の子供の税金で老人ホームに行くことになる」とも述べた。加藤氏は11日、記者団に「発言で誤解を与えたことに対し、おわびします。女性蔑視の思いは毛頭持っていないが、私の舌足らずなので撤回する」と謝罪。派閥の幹部から注意を受けたことも明かした。
第1次安倍政権の2007年、柳沢伯夫厚生労働相(当時)が女性を「産む機械」と述べたことを想起させる。法政大の五十嵐仁名誉教授(政治学)は「男尊女卑的な発言で、古い男女観が根を張っている」とあきれる。加藤氏が初当選した12年の衆院選では、自民党が圧勝。百人以上の新人が当選し、「安倍チルドレン」と呼ばれた。12年組の二期目、豊田真由子氏=埼玉4区=の元秘書への暴言・暴行が発覚。内閣府・復興政務官だった務台俊介=比例北陸信越=は長靴をもたずに台風被災地を訪れ、政府職員に背負われて水たまりを渡った。昨年3月に「長靴業界はもうかった」と述べ、批判を受けた。
ほかにも不倫騒動、暴言と同期議員のトラブルが相次ぎ、「魔の二回生」と言う言葉が誕生。2017ユーキャン新語・流行大賞のトップテンに選ばれた。17年の衆院選で豊田氏は落選したが、多くは「三回生」になり、またまた世間を騒がせている。今年3月には池田佳隆氏=比例東海=が、前川喜平・前文部科学次官を招いた中学校の授業について、文科省に内容を照会していたことが判明。先月には国場幸之助氏=比例九州=が、酒に酔って路上で通行人ともみ合いになった。
なぜ、12年組のトラブルが多いのか。政治アナリストの伊藤惇夫氏は「安倍自民党の勢いで大量当選した3回生には、資質に疑問がある人がいる。苦しい選挙で逆風にされされたこともない。それまでの自民党には野党転落まで辛酸をなめるなどして人間修行を積んだ人もいるが、彼らにはおごりや緩みがたまっている」と話す。カネやポストを握っていた派閥の力が弱まり、若手教育が党の主導になったことも影響している。
「かつては不祥事を起こせば、派閥の上から叱責され、ポストも冷遇され、若手は自重していた。党の教育では目が届かず、カバーしきれていない」五十嵐氏は「3回生は数が多く、質問の機会もなかなか回ってこないので、育たない」と指摘。党幹部の不祥事対応の軽さも影響しているとみる。そもそも小選挙区制に問題があるとも指摘する。一人一人の人格や政策は二の次で、風で当選してしまうからだ。五十嵐氏は「候補者の資質が吟味される選挙制度に変え、問題が起きたら政権を失うという緊張感を持たせなくてはならない」。そこから変えないと、トラブルは減らないとみる。

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