5月16日 コンビニ24hの裏で「中」

東京新聞2019年5月13日22面:店主と本部アリとゾウ 一方的多店舗展開「だまされた」 4月中旬、関西地方で開かれたセブンーイレブンジャパン(セブン本部)の店主募集の説明会。会議室には、さわやかな音楽と女性のナレーションの音声が響く。「不満のない仕事。それは理想かもしれませんが、ここで働く従業員の顔を見ていると、理想を持つのも悪くないと思えてきます」上映されたDVDでは、親族の反対を押し切って店主になった元トラック運転手の男性が登場。店舗経営を軌道に乗せ、セブン本部から表彰されるまでの成功秘話が、インタビュー形式で紹介された。こうした説明会は全国各地でほぼ毎日開かれている。24時間営業の問題の影響もあってか、この日の参加者は2人だけ、冒頭、企業概要とフランチャイズ(FC)契約の内容が書かれた冊子が参加者に配布されたが、社員は「利益配分についてはテキストにないので、前のスライドを見てください」と断り、早口で説明を始めた。
社員は「売れた分の商品の原価だけを原価計上し、売り上げから差し引いた『売上総利益』を本部と店主で分配します」と続けた。”売り上げ至上主義”。実は、この仕組みこそが本部が高額なロイヤリティー(加盟店料)を吸い取っていると批判されてきた「コンビニ会計」の正体だ。大阪府東大阪市のセブン加盟店主、松本実敏さん(57)は今年2月、独自に24時間営業をやめた。昨年5月に妻を亡くし、「自分も倒れるか、過労死するかしかない」と切羽詰まったためだ。店の売り上げも店主利益も減ると覚悟したが、実際には店主利益が増えた。コンビニ会計が逆に作用した結果だ。
同店の損益計算書によると、24時間営業をしていた昨年2月の平均日販は57万円。1ヵ月の売り上げは約1600万円だった。時短営業をした今年2月の売り上げは約1500万円に落ち込み、本部が取るロイヤルティーも減った。しかし、利益分配後に加盟店が負担する人件費が大幅に減ったことで、店主利益は40万円増えた。人件費に次いで大きい加盟店の負担は廃棄品。コンビニ会計では、消費期限の切れた弁当やおにぎりは、実質的に加盟店が買い取る仕組みだ。松本さんは2月下旬から、消費期限が迫ったら値下げする「見切り販売」を始めたところ、3月は10万円ほど店主利益が増えた。以前は本部社員に「廃棄を出せば利益も増える」と言われ、信じていたという。説明会で、社員は「店主と本部は対等な関係」と繰り返した。対して、松本さんは「アリとゾウの関係だ」と力と情報の圧倒的な差を揶揄する。「セブンの敵はセブン」と言われるほど、本部主導の多店舗展開によって売り上げを競わせ、そのもうけを吹い上げる。「店主が疲弊するほど本部がもうかるようになっている。だまされていた」と今も憤る。
コンビニ本部と加盟店の対立 既存店の売り上げを脅かすドミナント方式(特定地域への集中出店)や、本部社員が違約金や契約解除をちらつかせて見切り(値下げ」販売を妨害したりことに対し、2000年ごろから加盟店主の不満が高まった。店主らの働きかけで公正取引委員会は09年、独禁法違反(優越的地位の乱用)でセブン本部に排除命令を出し、一部店主は「コンビニ加盟店ユニオン」を結成。ただ、ユニオンは本部との交渉の場にすら立てておらず、労働紛争の調整機関である労働委員会は今年3月、「店主は独立事業主」との本部の主張を認めて破棄した。

朝日新聞ASAの伸光堂西部販売 森林文化協会

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