5月14日 ウーバー上場 課題乗せて

朝日新聞2019年5月11日7面:巨額の赤字・待遇に不満 米ライドシェア(相乗り)最大手のウーバー・テクノロジーズ(本社・サンフランシスコ)が10日、米ニューヨーク証券取引所に上場する。シェアリングエコノミー時代の目玉の新規株式公開(IPO)だ。ただ、上場規模は当初予測には届かないとの見方が強い。赤字体質に加え、ドライバーからの不満も噴出しているためで、課題をどう克服できるかが問われる。ウーバーは売出し価格を1株44~50㌦の範囲で調整していたが、9日、最終的に「45㌦」にすると発表した。範囲内の下限に近い価格設定になった。米メディアでは、上場に伴う時価総額は820億ト㌦(約9兆円)と見込まれている。4月に上場申請書類を出したころは、「1千億㌦規模」という強気の見方が多かったのと比べると、期待はややしぼんだ形だ。
背景にあるのは3月末、一足先に上場した同業の「リフト」株の不振だ。リフト株は初値が87㌦に達したが、上場に伴う期待感が一巡すると株価が急落。いまは50㌦台に下がった。先行投資に積極的な両社はともに巨額の赤字体質が続く。ウーバーの今年1~3月期の売上高は30億㌦以上に達するのに対し、純損失は10億㌦超に上る。8日には、ウーバーやリフトのドライバーたちが、本社前など全米各地で待遇改善を求める抗議活動を展開。経営の足元の不安定さも露呈している。
ウーバーは、当局の規制で原則的に相乗りサービスができないでいる日本や韓国など6カ国を重点地域と位置づける。ソフトバンクグループは16.3%を出資する筆頭株主であり、トヨタ自動車も多額の出資をするなど、日本との関係は特に深い。海外展開の成否も、ウーバーの今後の経営を左右する可能性がある。(サンフランシスコ=尾形聡彦)
上場次々 ITバブル以来 そうはいっても、ウーバーのIPOは、米国市場では2014年に中国のネット通販最大手アリババグループが上場して以来の大型案件だ。米国に本拠を置く企業として12年のフェイスブック以来の大きさだ。今年は大型上場が目白押した。ジーンズ「リーバイス」のリーバイス・ストラウスや写真共有サービスのピンタレストなどがすでに上場。ビジネス向け対話アプリのスラック・テクノロジーズ、民泊のエアビーアンドビーなどが続く予定だ。シリコンバレーやウォール街は、00年ごろのITバブル以来となる上場ブームに沸く。ニューヨーク・タイムズの集計によると、当時は創業から平均3年で上場を果たしていたのに対し、昨年以降は11年に延びた。その分、上場時の企業規模が大きくなる傾向にある。金融危機のあと低金利環境が長く続いたことで、ベンチャー投資を専門とするファンドなどがまとまった資金を提供した。昨年以降、米株式市場は市場最高値圏にある一方で、米中通商摩擦や金利上昇など先行き不透明感が強まる。IPOブームの背景には、投資家心理が緩んでいる今のうちにIPOをした方が資金調達に有利との思惑もありそうだ。(ニューヨーク=江渕崇)

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