5月11日 未来ノート ノルディックスキー複合 渡部暁斗

朝日新聞2018年5月6日12面:どうあるべきか「世界一」強く”ある”ために 目指している「世界一の選手」とは、どんな存在か。渡部暁斗(29)は、スキーを始めた小学生のころから考えていた。「五輪は、勝った者が強い。ワールドカップ(W杯)総合は、強い者が勝つ」。暁斗はかつて、乳の修さん(63)にそう話している。一発勝負の五輪なら、その時の調子のとさや運で勝てることもある。毎週のように試合をし、20戦以上の結果を合わせて競うW杯総合順位の方が、自分の考える「世界一」により近い。五輪の金メダルははなく、W杯総合優勝を一番の目標にしてきたのは、そう考えていたからだ。
正々堂々と戦った上で勝つ。それも、暁斗が思う王者の姿だ。「本物は、これだ」と思った試合がある。2011年12月のW杯。後半の距離で、自分の少し前を滑っていた10年バンクーバー五輪金メダルのジェーソン・ラミーシャプイ(フランス)が、並走していた選手のストックを踏んで折ってしまった。すると、相手がコーチから予備のストックを受け取るまで待ち、その上で優勝した。「もし、自分もそういう場面にあったら、そうしたい」
「メダルやトロフィーがほしい、ではない。『世界一』という抽象的なものが出発点だった」。結果より、自分が納得できる試合だったかどうかにこだわったきた。子供たちへのメッセージをお願いすると、「どうかるべきか」と書いた。「『どうなりたいか』だと、遠い先のことだからまだいいや、となってしまう。世界一の選手はどういう行動をするか考えて、やってみる。それは今からでもできる」 複合個人の3大タイトルのうち、五輪、世界選手権は銀メダルが最高。暁斗は言う。「全部そろえないと。W杯総合優勝だけでは足りない」。思い描く世界一へ、まだ道半ばだ。(勝見壮史)

 

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