5月10日 東京五輪で甲子園後ずれ?

東京新聞2018年5月5日18面:高野連「国民的行事 重複避けたい」 2020年の東京五輪開催時に、夏の甲子園(全国高校野球選手権大会)の開幕が例年より遅れる可能性が浮上している。例年8月7日前後に開幕しているが、五輪の会期が同9日までのため、五輪と重ならないようにするという。「東京」五輪なのに、なぜ兵庫県で行う高校野球に影響するのか。過密日程となる恐れはないのか。(大村歩)
酷暑に日程過密化の恐れ 甲子園開幕延期の案は先月、2020年のプロ野球公式戦と、学生野球の大会日程を協議するため、日本野球機構(NPB)と日本高校野球連盟などとの間で行われた会合で、明らかになった。例年より2、3日開幕を遅らせるとという。東京五輪の会期は2020年7月24日~8月9日で、NPBはこの間、シーズンの中断をすでに決めている。プロ選手による日本代表「侍ジャパン」で、野球競技での金メダルを目指す以上、当然ともいえるが、夏の甲子園は直接関係がないように思える。ではなぜ開幕を延期するのか。
高野連の竹中雅彦事務局長は本紙の取材に、「まだこれは私の私見で決定事項ではない」と断った上で、「五輪は世界的な行事。東京と兵庫では遠いが、日本を挙げて応援しなければいけないのではないかと思っている」と理由を説明した。国民的行事といえる夏の甲子園を五輪にぶつけてしまって、五輪への関心をそぐことがあっていいのかという考えのようだ。実は、五輪との重複を避けるため開会式が前後したことは過去2回ある。第74回大会はバルセロナ五輪のため例年より2日遅い8月10日に、第90回大会は北京五輪のため史上最も早い8月2日に開幕した。いわんや国内で開く五輪なら、というわけだ。
それにしても、プレーするのは高校球児たち。開会が遅れて大会日程が過密になり、負担となる恐れはないのか。竹中氏は「今年から決着を早くつけるタイブレーク制を導入し、決勝以外で再試合をしないようにする。例年、大会後に甲子園を使う阪神タイガースにも協力いただき決勝・閉会式の日程の後ずれも検討したい」と影響を否定する。一方で、甲子園にたどり着く前の地方大会で、東京五輪の影響をまともに受けるところもある。例年、東西東京都大会の開会式と準決勝以上は神宮球場で、神奈川県大会は同じ日程は横浜スタジアムで行われるが、両球場はいずれも東京五輪のために使われるため、地方大会には使えない。東京都高野連の武井克時理事長は「観客収容数から考えても神宮球場以外では東京ドームしかない。NPB側に使用を申し入れている」と話す。
東京五輪はどうも高校球児にとって優しくないように見えるが、スポーツジャーナリストの中島大輔さんは「夏の甲子園は、確かに毎年の国民的行事だが、あくまで学校の部活動野球の全国大会であり、教育の一環というのが建前。東京五輪と重なるとよくないというのは、甲子園を興行ととらえているのかのようで、こうした原点と矛盾するのではないか」と指摘する。中島さんに言わせれば、真夏の東京で行う五輪も、投手の酷使が問題となる甲子園も、選手の負担に最大限配慮する「プレーヤーズ・ファースト」の精神からは遠く、もっと運営面で改善できるところはあるはずだという。「タイブレーク制導入さえ、高野連の本当の狙いは酷使防止ではなくスムーズな運営にあり、選手の側を向いているとは言い難い。高野連は、五輪という高校野球に関係ない事情で選手にしわ寄せがいかないようにすべきだ」

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