4月9日「忖度」疑惑再び「私、すぐ忖度します」「総理とか副総理がそんなこと言えません」

朝日新聞2019年4月4日2面:かばう首相 選挙控え収拾急ぐ ■塚田氏の主な発言内容 私は麻生太郎(副総理)命、一筋でやってきた。筋金入りの麻生派です。私は新潟県の会長をやってまして、地元も県議選、市議選がありまして、帰って応援しようと思っていたが、かわいい弟分の(自民党麻生派の)大家敏志参院議員が「小倉に来て激励してくれ」と。渡世の義理には勝てません。麻生派は世間の義理だけで生きています。ほとんどやせ我慢の団体。私はやせていませんが。私は夏に参院選があるが、自分の票を削って北九州に参った。国土交通副大臣なので、ちょっとだけしごとの話を。大家さんが吉田博美・自民党参院幹事長と一緒に「地元の要望がある」と副大臣室に来た。下関北九州道路(の案件)です。これは11年前に凍結されているんです。何とかせにゃならん。下関は誰の地盤ですか。安倍晋三総理です。総理から麻生副総理の地元でもある北九州への道路事業が止まっている。
吉田幹事長が私の顔を見て、「塚田分かってるな、これは総理の地元と副総理の地元の事業なんだよ」と。私、すごく物わかりがいいんです。すぐ忖度します。「分かりました」と。そりゃ総理と副総理がそんなこと言えません。そんなこと実際ないんですよ、森友(学園をめぐる一連の問題)とか、いろいろ言われてますけど。でも私は忖度します。この事業を再スタートするには、いったん国で調査を引き取らせていただく、と。今回の新年度の予算で、国で直轄の調査結果に引き上げました。別に知事に頼まれたからやったわけじゃないですよ。大家敏志が言ってきた、そして私が忖度した、ということですので。おそらく橋を架ける形で調査を進めて、できだるだけ早くみなさまのもとに、橋が通るように頑張りたい。
統一地方選のさなかに飛び出した問題発言に、厳しい声が相次いだ。安倍晋三首相らの意向を忖度し、道路建設をめぐる利益誘導をしたと認める発言をした自民党の塚田一郎国土交通副大臣(55)。辞任論が与党内にもくすぶり、後半国会の焦点となりそうだ。首相は、さっそくかばった。3日の衆院内閣委員会。塚田氏の罷免を求めた野党議員に対し「(塚田氏は)発言を撤回し、謝罪した。しっかりと説明すべきで、そのことを肝に銘じて職責を果たしてもらいたい」。菅義偉官房長官も会見で「厳重に注意を行った」と延べ、辞任論から距離を置いた。塚田氏の問題発言は、北九州市で1日夜にあった福岡県知事選の決起集会で飛び出した。自身が所属する麻生派を率いる麻生太郎副総理兼財務相が支援する候補の応援演説だ。
首相への忖度が指摘された森友学園問題を念頭に、「そんなこと実際ないですよ。森友とか色々言われていますけど」と言いつつ、「でも私は忖度する」。副大臣室で面会した自民の吉田博美参院幹事長から「これは総理と副総理の地元の事業だ」と言われ、「分かりました」と応じたとのやりとりを披露した。塚田氏は3日の内閣委で「事実と反するので発言は撤回した」と陳謝。吉田氏も3日、塚田氏が紹介した発言内容を否定し「九州・中国地方の経済成長や防災対策のために必要不可欠な道路と考え、整備推進を訴えた。総理に忖度して取り組んでいるわけでもない」と文章でコメントした。
塚田氏は昨年10月の内閣改造で国交副大臣に就任。言及した道路事業は「下関北九州道路」(下北道路)で、山口県下関市と北九州市を関門海峡をまたいで橋かトンネルで結ぶ構想。1998年に国の開発計画に盛り込まれたが、2008年に凍結。安倍政権時の17年度に地元自治体の予算と国の補助による事業化のための調査が再開され、19年度から国直轄調査になった。自民幹部からも「辞任可避の失言」との声が出るが、安倍政権は塚田氏の発言内容を「事実と異なる」と打ち消すことで早期収拾を図る考えだ。統一地方選前半の投開票が7日に迫り、夏に参院選を控えるなか、辞任が「アリの一穴」(自民幹部)となって政権の体力を奪うことを懸念しているためだ。塚田氏自身が参院新潟選挙区からの立候補を予定し、「もともと厳しい情勢で、副大臣を辞めたら落選していまう」(麻生派幹部)との事情も背景にある。自民党内からは「首相は麻生氏に気を使う。麻生派の議員を簡単に辞めさせられないだろう」との声も上がる。
野党の反発は収まらない。3日の衆院厚生労働委では、国民民主党の山井和則氏が「なぜウソをついたのか」と塚田氏を追及。塚田氏は「大勢が集まる会だったので、我を忘れて事実とは異なる発言をした」と釈明したが、山井氏は「自民党や政府がウソをついて選挙演説をして票を集めようとしているとしたら、絶対許せない」と批判した。野党6党派は塚田氏辞任要求で攻勢を強る構えだ。与野党内でも厳しい意見が相次ぎ、参院選で改選を控える議員を中心に「早く辞めさせた方がいい」との辞任論がくすぶる。公明党幹部は「(今国会が)ここまで順調にきて、怖いのは失言とスキャンダルだけだと(自民側に)言ってきたが、これはまずい。国会が荒れる」と嘆いた。
森友・加計・統計でも問題視 塚田氏が口にした「忖度」は、安倍政権で繰り返し問題視されてきたキーワードだ。森友・加計学園問題が注目された2017年の新語・流行語大賞に選ばれ、今国会で話題となった毎月勤労統計の調査手法変更でも疑われた。背景として指摘されるのは、安倍政権で進んだ官邸への権力集中。各府省庁の幹部人事を官邸直属の「内閣人事局」が握ったことに加え、長期安定政権となったことで安倍官邸は完了の掌握を強める。その力関係の変化が「忖度」への疑念を生んだ。学校法人「森友学園」への国有地売却問題では、学園が大阪府豊中市の国有地に新設予定の小学校の名誉校長に、首相の妻昭恵氏が一時就任していたことから、財務省が大幅な値引きを行ったのではないかと野党が追及。財務省が昭恵氏らの名前を削る公文書改ざん問題にまで発展した。
首相が「腹心の友」と呼ぶ加計孝太郎氏が理事長を務める学校法人「加計学園」の獣医学部新設問題でも、内閣府が「総理のご意向」などと文部科学省に伝えたとする文章の存在が発覚。選定プロセスに特別な計らいがあったのではないかと指摘する声があがった。塚田氏の発言はそんな政権への疑念を再燃させる。立憲民主党の初鹿明博氏が3日の衆院内閣委員会で、「森友・加計学園問題で忖度が問題視されてきた中での発言だ」と指摘し、こう批判した。「首相や麻生氏を忖度するかのような発言をした事実を、謝ってすませていいのか」

 

 

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