4月8日 風呂敷広げたい都知事・・20万枚配布へ4億円

朝日新聞2019年4月3日29面:五輪・パラでPR 東京都の小池百合子知事が、訪日外国人らへの無料配布など「風呂敷の普及」に多額の予算を投じている。周囲の受け止めは。「日本の伝統、文化で、エコの知恵でもある。物を運んだり包んだり、繰り返し使える」。小池氏は2月の記者会見で、都が考案した防災、風呂敷を紹介し、自ら実演もした。撥水性が高いため、水を入れて包むことができ、絞ると「シャワー」としても使える、という。非常時にはマスクや授乳ケープにもなる。昨年度と今年度で4550枚をつくり、予算は約1400万円を見込んでいる。東京五輪・パラリンピックで芸術や文化を国内外に発信する事業でも、「風呂敷の魅力発信」を盛り込んだ。2019年度予算で3億円を風呂敷の製作にあて、大会期間中、20万枚を都の文化施設などで訪日外国人らに無料配布する。さらに1億円を投じ、展示イベントも開催予定だ。都の幹部は「風呂敷への知事の思い入れが強く、普及のために何かやりたいとの意向があった」と明かす。 「エコ」業界は歓迎 小池氏の風呂敷へのこだわりは環境相だった05年にさかのぼる。クールビズに続いて、「もったいないふろしき」を自ら考案。レジ袋の代わりに使ってもらおうと試みたが広がらなかった。知事就任後は、LED電球の交換事業などともに、「エコ」の取り組みとして、風呂敷の普及を推し進め、都は昨秋、パリで風呂敷をテーマにした展示イベントを開催。
6日間に約2万1千人が訪れた。この「成功」が今回の配布計画につながったという。都の取り組みを風呂敷業界は歓迎する。「日本人らしさやエコという面で風呂敷は外国人にも伝わりやすい」と、老舗の風呂敷製造会社、宮井(本社・京都市)の市川修取締役(59)は話す。同社は前回の東京五輪の際も記念風呂敷27万枚をつくり販売したという。
風呂敷は、1970年代ごろまでは市民に身近な存在だった。布団を包んだり、買い物で荷物を運ぶのに使ったり。結婚式で引き出物を包むため、ホテルからの注文も多かったという。だが、紙袋やポリ袋が普及すると、次第に姿を消した。関東を中心に12社でつくる東京ふろしき振興会によると、加盟社の取扱量は98年の約717万枚から、17年は約144万枚と5分の1に減ったという。
「自己満足」心配も 「ふろしき王子」の愛称で全国で結び方講座を開く横山功さん(39)は都の取り組みを歓迎しつつ、「ただ配るだけなら、行政の自己満足で終わってしまう」と指摘。「五輪の競技会場や街中で使い方を実演して魅力を伝え、多くの家庭で眠っている風呂敷と同じ運命をたどらないようにしてほしい」と話す。実は小池氏のおひざ元・都庁でも、使っている職員はなかなか見かけない。50代の課長は、かつては議会に行くときに書類を風呂敷で包んでいたが、「いまは書類をすぐ取り出せるエコバッグを使っている」。別の幹部も「効果的な配り方を考えないと、無駄使いだと批判を受ける」と危惧する。4億円の予算を使うことに、都民は戸惑いも、北区の元公務員の男性(72)は「日本の良さを知ってもらうとの趣旨はわかるが、五輪にかこつけて、大判振る舞いしすぎているのでは」と話した。 (西村奈緒美、土屋新平)

 

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