4月6日てんでんこ 電気のあした「15」自産自消

朝日新聞2019年3月30日3面:福島で広がる「自産自消」の取り組み。そこに原発の居場所はない。 阿武隈山地に抱かれた福島県葛尾村。「来年9月には村の中心部の電気の55%を地産地消する。中山間地にモデルになることを目指す」。副村長の馬場弘至(45)は言った。村は福島県などが株主の発電会社、福島発電と共同で2018年10月、葛尾創生電力を設立し、馬場が社長に就いた。計画では、村内2ヵ所に出力計2千㌔ワットの太陽光発電所を建設。村中心部に総延長約4㌔の自前の送電線(自営線)を張り、電気を供給する。限定的ながら東北電力の電力供給網から「独立」した地域が誕生する。村全体でも電気の自給率は40%近くになる。11年3月の東京電力福島第一原発事故で、全村避難を強いられた。16年6月に大半の避難指示が解除されたが、村民約1400人のうち、村に戻ったのは296人(3月1日現在)。帰還困難区域も依然、抱える。「チャレンジし続けないと復興は成り立たない。東北電力より1%でも安く電気を供給したい」と馬場。葛尾創生電力は県内の他の太陽光発電所の保守管理なども請け負う。
福島市の中心部と飯坂温泉を結ぶ鉄道、福島交通飯坂線。地元エネルギー企業、アポロガス傘下のふくしま新電力は18年9月、この鉄道への電力供給を始めた。東北電が独占していた供給契約を、ほぼ折半の形で得た。社長の相良元章(52)=アポロガス代表取締役CEO=が目指すのは、エネルギーの「自産自消」だ。家庭や企業がみずからエネルギーをつくり、消費し、余った分は蓄え、足りないところに送る。
「新電力はそのネットワークの核になる。地元の企業として、遮断機のない踏切をなくしたり、駅の省エネに取り組んだり、沿線にためになることを提案していく」福島県は12年5月から一般住宅の太陽光発電設備設置への補助を続ける。設備導入件数は、資源エネルギー庁になると約5万件(18年9月末現在)。県内の一戸建ての推計1割に達する。新年度には固定買い取り制度を使わない「自家消費型」の自然エネルギー拡大を目指し、モデル事業の支援も始める。福島で広がる「自産自消」の取り組み。そこに原発の居場所はない。(上田俊英)

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