4月6日 サザエさんをさがして チューインガム

朝日新聞2019年3月30日be3面:今は大人の健康維持グッズ チューインガムは第2次世界大戦後、進駐軍と共に急速に日本で広まった。作者の長谷川町子さんはその頃体験した「こわかった話」を自伝エッセー漫画「サザエさんうちあけ話」で披露している。終戦直後のこと。夜分に家の玄関を米兵たちがバンバンとたたいた。家にいたのは長谷川さんと姉の2人きり。青ざめながらも長谷川さんが決然として玄関へ出て行くと、その姿を見た米兵は頭をなで、1人はガムとチョコレートを手渡した。「小柄なわたしはコドモにみられたのです。ほんとうに外人の年って、お互いわかりませんものねエ」。英語が話せる中学の先生宅に米兵を誘導し、事なきを得たものだった。今回の作品が掲載された1950(昭和25)年には、「左のポケットにゃチュウインガム」と歌った美空ひばりの「東京キッド」もヒットした。はやりのガムをふくらますカツオをみて、大人げなくもこっそりまねしてみたくなった波平の気持ち、わかる気がする。
それから60年以上。眠気覚ましにリフレッシュにと、日本人に親しまれていたのが、最近はどうもガムの影が薄くなってきている。日本チューインガム協会によると、生産量は2004年の4万6100㌧から年々減少し、17年は2万5200㌧。生産金額は04年の約半分、680億円になった。ミントタブレットなどリフレッシュできる他の菓子が出てきてた、車離れでドライブを楽しむ機会が少なくなり眠気覚ましのガムの出番も減った、スマホに時間を奪われた、かみ続けるとあごが疲れると感じる若者が増えている・・など様々な要因があげられる。ロッテ広報部長の堀本祐司さんは「他の選択肢が増えて、何となくガムをかむシーンが少なくなった。物があふれている時代、子どもにとってガムの存在感が薄れています」と話す。
では、これからガムの生きる道は? 「かんで健康になる、より健康的なライフスタイルのためのガム」だと堀本さんは言う。同社は健康志向のガムを以前から開発してきた。80年代には、眠気をすっきりさせる「ブラックブラック」、息のエチケットに特化した「フラボノ」などを発売。平成のヒット商品だという97年発売の「キシリトール」はその後特定保健食品(トクホ)お許可も受け「再石灰化を増強し、歯を丈夫で健康に保つ」とうたう。
「欧米など海外ではガムはいまだに子どもの菓子というイメージですが、マーケットに合わせ開発を進めてきた結果、日本では大人向けに機能性を追求した商品が多い」と同社ブランド戦略担当チューイング企画課の小川貴昭さん。この2.3年はさらにターゲットを中高生層に絞ってきている。15年に発売した「キシリトールオーラテクトガム」は年齢が進むとトラブルが起きやすい歯茎の健康に特化したトクホ。「歯につきにくいガム<記憶力を維持するタイプ>」は、イチョウ葉抽出物を配合した機能性表示食品で、17年に発売、記憶力が気になる高齢者にアピールしヒットに結びつけた。子どもの遊びから大人の健康維持グッズへ。超高齢化が進む日本を移し出すガラパゴス的進化かも。たまには大人も、甘い風船ガムをプーッとふくらませて楽しんでみようか。かむのは健康に良いと言うし。(大村美香)

 

 

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