4月4日 見張り塔から ジャーナリスト津田大介さん

東京新聞2018年3月27日4面:フェイスブック問われるビジネスモデル 米フェイスブック社が設立以来の最大の不祥事に揺れている。米ニューヨーク・タイムズ紙は3月17日、2016年の米国大統領選でトランプ陣営を支援した英国の選挙コンサルティング会社「ケンブリッジ・アナリティカ」が、フェイスブックユーザ5千万人分もの個人データを不正に取得し、使用していたと報じた。同社の創業に携わり、データ分析の開発チームを率いていたクリストファー・ワイリー氏の告発によって「ソーシャルネットワーク史上最大級の情報流出」が明らかになった。
フェイスブックの16日の声明によると、流出が疑われるデータは、ケンブリッジ大学の心理学者アレクサンドル・コーガン氏が14年6月にフェイスブック上の性格診断アプリを使用して「研究目的」で収集したものだという。このアプリを使用したのは約27万人だったが、当時のフェイスブックの規約はユーザの友だちのデータへのアクセスを認めていたため、5千万人分ものデータが収集された。
ワイリー氏によれば、コーガン氏ははじめからケンブリッジ・アナリティカに提したのだという。ケンブリッジ・アナリティカはコーガン氏にアプリ開発費用として80万㌦(約8500万円)を支払い、データの提供を受けていた。15年にこの情報流出を認識したフェイスブックは、ケンブリッジ・アナリティカにデータの破棄を要請し、それを確認したという。しかし今回の報道により、データが破棄されていなかったことが明らかになった。
気になるのは、データはどのように利用されたのかということだ。ケンブリッジ・アナリティカは行動履歴データにもとづくマイクロターゲティングによって「有権者の投票行動を変える」ことを謳い、ブレグジットの国民投票やトランプ大統領の勝利に貢献したとして一躍注目を浴びた企業だ。行動履歴データから予測されたライフスタイルや性格、信念、価値観といった心理的特性を、投票行動を変えさせるためのターゲティング広告などに利用した可能性は十分にある。
なぜかといえば、同社に個人データの取得とマーケティング利用を依頼したのは、16年の大統領選で泡沫候補だったトランプ候補を大統領に押し上げた選挙参謀であり、前主席戦略官兼上級顧問のスティーブン・バノン氏だからだ。大きな野望を抱えた戦略家がデータ分析に長けた若いベンチャー企業の天才ハッカーに頼んで選挙データを細かく分析し、大統領選で大逆転を勝ち取ったー今回の件をある角度から分析すると、そのような構図が見えてくる。
フェイスブックのザッカーバーグCEOは21日、フェイスブック上の自分のページで間違いを認め、対策強化の必要性を認めるコメントを投稿したが、説明責任を十分に果たしていないとの批判も多い。同社の根本的なビジネスモデルは蓄積されたユーザーデータを収益源にすることだ。同社が創業以来最大の危機に直面しているのは、彼らのビジネスモデルのモラルが厳しく問われているからである。

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