4月4日 民放連がAM放送廃止要望

東京新聞2019年3月28日28面:局側の都合で買い替え!? 広告収入減 設備維持難しく ラジオのAM放送を廃止してFM放送に転換できるようにする制度改正の要望が27日、民放連から総務省に示された。経営難に直面する放送局側が多額の設備費がかかるAMをやめて生き残りを図ろうとする格好だが、重要な情報源として親しまれてきたもの事実。廃止の方向で安易に進んでしまって大丈夫なのか。 「やめてくれ(怒)」「廃止は山間部切り捨てと言われても当たり前。大反対です」。民放連の要望に対し、ツイッター上では反発の声が相次いだ。要望が示されたのは27日にあった総務省の有識者会議。放送免許の更新時期に当たる2028年までに制度改正し、局側の経営判断でAMからFMへの転換や併用を可能にするよう求めた。
AMはFMより電波が遠方まで届くという大きな特徴があるが、大規模な送信設備が必要。懸案になっているのが、この送信設備の更新だ。総務省地上放送課の納富史仁課長補佐は「東京ドーム1個分の敷地に高さ120㍍のアンテナを立てるケースもあると聞く」と語る。膨大な費用が必要になるわけだが、民放連の資料などによれば、AM放送局の営業収入は柱になる広告収入の減少により1990年代と比べて6割減。そんな中、簡易な設備で送信できるFMへの転換を求めているのだ。
情報産業に詳しい日鉄住金総研の倉沢鉄也研究主幹は「広告収入はここ数年、落ち込みに歯止めがかかったが、それでも底にある状況になって久しい」と指摘する。実は現在AMを展開する47社のうち43社は、AMの番組をFMで同時放送する「FM補完放送」(ワイドFM)を実施している。AMは高層ビルなどの多い都市部で電波が遮られる問題などがあり、これに対応するためには各局はFMの送信設備も備え、2014年から順次、ワイドFMに取り組んできた。AMをメインにしながら、場所によってはワイドFMで補完するのが今の形だ。民放連の要望を受けた有識者会議は19年度末までに最終取りまとめを行い、総務省はこれらを踏まえて対応を検討する。ただ、従来のAMの番組がワイドFMでしか聴けなくなると、問題が生じてくる。聴取者側の費用負担だ。
ワイドFMは、地上テレビのデジタル化で空いた周波数90㍋㌹超を使うため、従来のラジオでは聴けない。都内の家電量販店などによれば、携帯用なら1000円程度から買えるが、カーナビ搭載型のラジオがワイドFM非対応の場合、カーナビ自体を取り換えなければならず、工賃を含めて10万円近くがかることになってしまう。ネット上には「(買い替えは)困る」「余計な出費になる」と憤る声も。
一方、「放送レポート」編集長の岩崎貞明氏は「地域によってはワイドFMだけだと、大変なところもある」とみる。「FMは電波が遠くまで届かないため、広い範囲で放送するには多数の中継局が必要になる。北海道がそう。中継局を増やせば、それだけ放送局側の負担は増える」 広範囲に電波を届けられるAMの利点ゆえ、岩崎氏は「災害関連の情報を早く行き渡らせる役割を担ってきた」と語る。「技術が進歩する中、古い技術にしがみつくべきかという論点はある」と述べる一方、AM局の懐具合が先行する今の議論は「後ろ向きに見える。公益性の高い情報をどう伝えるかという前向きな報告で検討してほしい」と訴える。(榊原崇仁)

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