4月3日てんでんこ 電気のあした「13」革命

朝日新聞2019年3月28日3面:映画は五つの地域を描く。「お金も心も都市に依存する田舎を変えなければ」 岐阜県郡上市の石徹白(いとしろ)の春は、雪解け水野音が運んでくるという。約100世帯の集落を流れる豊かな水は、3年ほど前から全世帯分の2倍を超える電気を生み出すようになった。大きな水車の隣にある農作物加工所はトウモロコシのドライなどを作り、お年寄りを病院などに送迎するNPOの電気自動車への充電を目指す。
そんな暮らしを記録した映画「おだやかな革命」の上映会が21日、神戸市内であった。昨年2月の公開以来、150回を超えた。上映の後、石徹白に移り住んで8年になる平野彰秀(43)と平野馨生里(37)夫婦ら4人が約50人の聴衆を前に話した。この10年余りで移住した新住民は、15世帯46人になった。「もともと昭和30年までは水力で電気を自給していた土地です。自分で生活をたてる。その経験を地元の人たちに聞いています」監督の渡辺智史(38)はこう語った。
「右肩上がりの時代の社会が行き詰って、これからの時代にどう向き合うのか。地域でのチャレンジが広がっている」「革命」が進む五つの地域の暮らしを映画は描く。そのひとつ、岡山県西粟倉村で5年前に起業した井筒耕平(43)も加わった。「エネルギーを外から買って、お金も心も都市に依存するようになっていた田舎を変えなければ、と考えたんですよ」1500人足らずの村で、3軒の温泉のボイラー燃料を、重油から山で切り出した薪に替え、2千万円弱の燃料代が地域で循環するようになった。木工品など地域資源を生かした業種をはじめ、起業は34社に拡大した。
カメラは福島県の二つの新電力も追う。飯館電力(飯館村)は、パネルの隙間をくずった太陽光が牧草などを育てる「ソーラーシェアリング」方式をはじめ、小さな太陽光発電所を44基に広げた。会津電力(喜多方市)は昨秋に立ち上げた小水力発電所を起点に「水力を会津に取り戻す」作戦を進める。一方、秋田県にかほ市の丘に建てた風車から電気を購入する首都圏の生活クラブは、2基目の風車建設事業をめぐり、東北電力との送電線接続交渉がなお難航している。渡辺は9月、五つの地域や自主上映団体が語り合うサミットを東京で計画する。「エネルギーと暮らしの革命はこの先もそれぞれの地域で静かに進行していますよ」(菅沼栄一郎)

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