4月26日 犬猫殺処分「ゼロ」の裏には・・

朝日新聞2019年4月24日29面:「譲渡可能」が対象 東京都の小池百合子知事が今月、昨年度の犬や猫の「殺処分ゼロ」を達成したと明らかにした。だが、実際には処分した犬や猫が約150匹いたという。「ゼロ」の裏に何があるのか。「知事就任以来、動物を最後まで飼う大切さを理解してもらう普及啓発や、譲渡の推進を進めてきた。それらが着実に実を結んだ」。小池知事は昨年度初めての5日の記者会見冒頭、胸をはった。「ペット殺処分ゼロ」は、小池氏が圧勝した2016年の知事選で訴えた公約の一つだ。達成を目指して都は、17年度に情報サイト「ワンニャンとうきょう」を開設。飼い主探しを担うボランティアなど約50団体を紹介し、無償の譲渡会の日程などを掲載してきた。この結果、都動物愛護相談センターが引き取り、殺処分した犬や猫は15年度に203匹いたが、16年度はに犬はゼロ、猫は94匹に。18年度に初めて犬も猫もゼロとなった。
ただ、殺処分ゼロに含む対象は、譲渡ができる状態にある動物だけだ。衰弱や病気、かみ癖があって譲渡できないと獣医師らが判断した場合は「動物福祉などの観点からの処分」として扱い、18年度は約150匹いた。環境省の部会でも、譲渡が適切でない犬猫の処分数を分ける試案が提言されている。都の担当者は「減らしていくことはできても、ゼロにするのは難しい」と話す。
一方、14年度以降、犬・猫両方の一切の処分ゼロを達成してきたのが神奈川県だ。県動物保護センター業務課長の上條光喜さんは「他の地域と簡単には比較できない」としつつも、「かみ癖があっても訓練で状況は改善するし、身体に障害が残っていても受け入れてくれる人はいる。ボランティアの協力も得て、譲渡は必ずできると思ってやっている」と話す。
 収容施設は限界 熊本県でも、知事がマニュフェストに「殺処分ゼロ」を掲げ、地震があった16年度から殺処分を急激に減らした。かみ癖があったり感染症にかかったりしているのを除けば、17、18年度は犬猫ともにゼロを達成した。だが、3月末現在で153匹の犬猫を収容する県動物愛護センターは限界に近づきつつある。敷地内にコンテナを置いて施設を拡充し、駐車場の一部にも動物用ケージを設置したりしているが、それでもあふれ、民間施設に犬50匹を委託している。また、センターには治療施設もなく、獣医師が犬、猫それぞれ週に1度往診する状態という。県は、有識者の検討会からの報告を受け、今後改善を検討していくという。
「飼い主対応カギ」 一般社団法人アニマル・リテラシー総研の山崎恵子代表理事は、譲渡に適さないかどうかの判断について「誰がどのように判断するのかが重要だ。もし人に慣らすことが困難な野犬などを安易に個人に譲渡したり愛護団体などに渡してしまったりすれば、譲渡先で人をかんだり逃げ出したりする危険性もある」と指摘。大切なことは、施設に来る犬猫を減らし、譲渡先の出口を広げることだと言い、「例えば飼い続けられないと持ち込んでくる人には、原因を分析してその人が飼い続けられるようにサポートをする。保護した犬猫1匹ずつの特徴を細やかに把握して、飼い主とのマッチングをして譲渡率をあげる。こうした多角的な対応が必要だ」と話した。 (土居新平、遠藤雄司)

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