4月2日 新聞を読んで 森健

東京新聞2018年3月25日5面:いま起きている「腐敗」 この一ヵ月で露呈したのは日本で民主主義が崩壊しかかっているという惨状だった。激震を起こしたのは3月2日朝日新聞が報じた財務省の「森友文書書き換え」疑惑。公文書を財務省が改ざんするという衝撃的な報道だった。当時、本紙が深堀していたのはリニア工事談合問題。3月3日社会面では大成建設の元常務執行役員と大林組の元幹部が大学の同級生だったことを発掘。翌週からの連載「四強時代 リニア談合の底流」の2回目(3月7日社会面)ではJR東海の葛西敬之名誉会長の30年前の発言を掘り出した上で、2年前安倍政権がリニア建設に財政投融資を活用する「国政化」を進めた経緯を報じた。過去と現在をつなぎつつ、恣意的な政治と結びつく疑惑の一端を描いた。
東京新聞が再び森友問題に傾注するのは3月9日、佐川宜寿国税庁長官の辞任からだ。3月10日社会面はこの問題を直接担当していた近畿財務局管財部の担当者が3月7日に自殺、遺書があることも報じた。財務省が改ざんを認めた後の3月12日は公文書管理委員の三宅弘氏が証言。「歴史をつくり替えられると、政策の妥当性の検証もできなくなる。民主主義の根幹を揺るがす行為」(3面)と批判した。
改ざんは14文書で行われ、安倍首相夫人の昭恵氏から「いい土地ですから、前に進めてください」と言われたと、森友側が発言していたことも分かった。(3月12日夕刊1面) 公務員が理由もなく国有地を割り引くはずはない。となると、なぜ改ざんしたか。麻生太郎財務相は「最終責任者は佐川」と責任を押し付けたが、東京新聞は「政権全体の責任は免れない」(同)と批判。3月16日夕刊は麻生氏が「(佐川氏への聴取が)直接行われているか知らねえな」と答えるさまを報じた。この傲慢不遜な言葉を1面で打ったのは本紙ならではだろう。
3月20日社説は「私や妻が関係していれば、私は間違いなく首相も国会議員もやめる」という昨年2月の首相答弁が文書改ざんの主な動機ではないかとし、国会の国政調査権を発動すべきだと記した。同日の編集日誌(社会面)は内閣人事局設置で官僚のポストは官邸になったとし、「首相とは『忖度の構造』の頂点に立つ存在」と指摘した。要は人事権を背景に改ざんが行われたという見立てだ。妥当な推論だが、そうだとすれば、日本の行政は自ら民主主義を破壊していると言わざるを得ない。2月23日、保坂正康氏は対談「『薩長史観』を超えて』で、今の北朝鮮の統治は日本の戦前の軍国主義のまねをしており、「腐敗」も進むのが歴史と延べた(7面)。だが、いま日本に起きている「腐敗」も周辺国と同じくらいひどい。そんな醜悪な現実を見せられつつある。(ジャーナリスト)
*この批評は最終版を基にしています。

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