4月16日 キャッシュレス「3」

朝日新聞2019年4月10日夕刊9面:導入に反対する人なぜ多いの? クレジットカードを使った買い物のように、現金以外で決済する比率(キャッシュレス決済比率)は、日本は19.8%(経済産業省とめ、2016年)だ。9割以上の韓国や6割の中国、4割強の米国に大きく引き離されている。日本でキャッシュレス化が進まなかった理由はなんだろうか。使う側にとっては、使いすぎへの不安が根強くあるようだ。博報堂生活総合研究所が17年にインターネットで行った調査によると、キャッシュレス化に反対と答えたのは51%、賛成が49%と拮抗した。反対する理由の上位3位は、「浪費しそう」「お金の感覚がまひしそう」「お金のありがたみがなくなりそう」と、使いすぎをおそれる声が多かった。「現金ならば減るのを実感できる」など、支払いをしたという実感を求める意見が根強い。
4位は「現金は必要だから」。地震など自然災害でシステムがダウンした場合や、停電などにそなえる必要があるとの声が多かった。暗証番号やパスワードなど情報を抜き取らることへの不安も大きく、「犯罪が多発しそう」も5位に入った。治安がいい日本では、現金の持ち歩きに抵抗感がなく、偽札の流通も少ない。全国津々浦々にATM(現金自動出入機)があり、どこでも引き出せることも、根強い「現金信仰」の背景にあるとみられる。日銀の調べによると、世の中に出回るお金の量を示す「現金流通高」は、米国はGDPの1割にとどまるが、日本は2割もある。店舗側もまた、クレジットカードや電子マネーによる決済には、あまり魅力を感じてこなかった。まず、導入時に決済端末などの初期費用がかかる。端末によっては10万円を超えるものもあり、小さな店舗には負担が大きい。キャッシュレス決済のたびに決済事業者に手数料を払う必要もあるが、中小店舗の場合、4~8%と割高に設定されている。決済事業者によってはよっては、決済から店舗側への入金までに2週間以上もかかることなども、敬遠される理由の一つだった。
「現金商い」を重視する姿勢は街の八百屋さん、魚屋さんといった小規模店舗ばかりでなく、大手チェーンにもある。串カツ田中やサイゼリアでは、一部店舗を除いて現金決済を貫く。理由はやはり手数料の高さだ。串カツ田中の客単価は約2300円。カード決済にするとそこから3~5%ほどの手数料を取られるため、負担が大きいという。広報担当者は「串カツ1本100円からと手頃な価格をツ級しているので、手数料が壁になる」と話す。ただ、キャッシュレスにすれば、閉店後に現金と売り上げを照合する「レジ締め」の作業を省略できるうえ、お金を触らずに済むなどの衛生面の利点もある。串カツ田中も「キャッシュレスを導入したくないわけではない」といい、決済手数料が1.5%の「メルペイ」の導入を検討しているという。(栗林史子)

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