4月15日 首都圏のJR駅で拡大

東京新聞2018年4月10日26面:早朝の無人化 大丈夫? 介護や緊急時対応に不安 電車は動いているのに、駅員さんはいないー。首都圏のJRで早朝に無人となる駅がじわじわ増えている。おおむね始発から午前7時前までがその時間帯で、客の困り事などはインターホンで対応している。が、利用者の間では「利便性が落ちる」「緊急時対応が不安」などと、危ぶむ声もある。 (大村歩)
この早朝の無人化は、2014年2月から東京、神奈川、埼玉の1都2県の18駅でまず導入された。JR東日本では「駅遠隔操作システム」と呼ぶ。早朝の利用客の少ない時間帯はこのシステムを稼働させて無人にし、利用客対応はインターホンを通じて担当係員がある。さて、その後どれくらいの駅が無人化されているのか。JR東日本広報部に尋ねると、「東京駅のように複数の改札口があり一部のみを早朝無人化した場合もある。明確に遠隔システム導入により早朝無人化した駅がこれだけあるとは言えない」。数は明らかにならなかった。
ただ、早朝無人化がじわじわと広がっているのは確かだ。埼玉県交通政策課によると、宇都宮、高崎、川越の各線の28駅が早朝無人化された。さいたま市など県内8市が「緊急対応に不安がある」「利用者の利便性が低下する」として、早朝時間帯の駅係員の再配備を求める声を上げ、県は今年2月、JR東日本に要望書を提出した。同県越谷市の視覚障害者支援NPO法人「ひかりの森」理事長で、自身も視覚障害者の松田和子さんは「一般の通勤通学客が多いラッシュアワー帯は、介助を頼もうにも駅員さんも多忙だし、車内もぎゅうぎゅう詰め。一般客の障害者に対する配慮も欠けがちなので、あえて早朝のすいている時間帯に乗る障害者は多い。なのに駅員さんがいないとは」ため息をつく。
一方、今年2月から3月にかけ、千葉県内の下総中山、東船橋、幕張本郷の総武線3駅が早朝に無人化された。実施前に、JR東日本千葉支社に徹回を求めた丸山慎一・千葉県議(共産)は「無人化時間帯はエスカレーターもストップする。インターホン対応というが、聴覚障害者はどうするのか。尋ねたら、支社の担当者は絶句していた。公共交通機関のバリアフリー化への逆行だ」と批判した。都内では、国立駅などが早朝に無人化されている。
こうした声に対し、JR東日本広報部は「少子高齢化により客数減少が将来的に予想される中、効率的な駅運営を目指し導入した。(無人化でも)券売機などは利用可能で、インターホンで駅係員への連絡が可能であり、駅員がいる場合と同等のサービスを提供できる」とする。しかし、関西大学の安部誠治・社会安全学部長は「障害者など駅員の介助を必要とするような利用者の利便性低下は間違いないし、事故など緊急時には他の駅から駅員が駆けつけることになるので対応が遅れる可能性がある」と指摘する。
安部氏は、経営効率化には理解を示しつつ、「一律の無人化ならば問題が大きい」とする。例えば、鉄道事故が起きた場合、遠隔操作している元の駅と、事故現場の駅が、違う消防局の管轄となることもあり得る。「何駅も連続して無人化したりせず消防管轄ごとに一つは有人のままにしておくことや、介助が必要な人の駅利用頻度などを十分見極めて、きめ細かく対応していくべきだ」と話した。

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