4月14日 CD低迷でもJASRACの好調なぜ? 

朝日新聞2019年4月9日25面:ネット微収額増加 日本音楽著作権協会(JASRAC)が昨年度に微収した著作権料が1138億円に上り、史上2位となる見通しだ。CDが売れない時代に、なぜもうかるのか。日本レコード協会によると、CD・テープなどの売り上げは1998年の6075億円が頂点。昨年はネット配信市場を合わせても3048億円にとどまった。一方、JASRACの昨年度の微収額は過去最高だった2007年度に次ぐ金額だ。07年度はケーブルテレビからの過去分の収入があったため、それを除くと、昨年度が「事実上の過去最高額」(JASRAC広報部)となる。押し上げたのはユーチューブなどの動画サイトとスポィファイなどの音楽配信サービス。こうしたネット関連の微収額は約148億円と微収全体の16%を占め、前年度より42億円の増加となった。
さらに、好調のライブやコンサートからの収入も伸びをみせた。コンサート事業の団体と交渉を重ね、大規模コンサートの使用料の値上げの合意を取り付けた効果もあるという。また、昨年、引退した歌手・安室奈美恵さんのDVDがヒットするという「安室効果」も。DVDなどからの微収額は前年度比22億円増となった。
 著作権を長期独占 そもそも音楽著作権を管理する事業は長年、JASRACが独占してきた。01年に著作権等管理事業法が施行され、他の事業者が参入しやすくなったが、業界2位のネクストーン社の微収額は34億円(17年度)。JASRACのガリバーぶりは突出している。特に、カラオケでの歌唱やコンサートなどでの演奏から微収する根拠となる「演奏権」はJASRACのみが管理している。カラオケボックスやスナックなどを1軒ずつ訪ねて契約を結んでおり、全国に14支部を持ち、職員500人を抱えるJASRACでなければ、管理が難しいからだ。今年度の微収額はさらに増える可能性がある。
実務のトップ、浅石道夫理事長は今年2月、ユーチューブをめぐり、グーグルと「第4次契約の合意をした」と発表。詳細は明らかにしていないが、この契約によって著作権が増える見込みという。子どもがピアノなどを学ぶ音楽教室から微収する方針を打ち出したのも浅石氏が理事長になってからだ。教室側とは訴訟が続くが、JASRACが勝訴するとみる専門家は少なくない。JASRACが微収したお金はどこにいくのか。職員給与などにあてる管理手数料を差し引き、作曲家、作詞家らに配分している。昨年度の分配額は1126億円に上り、これも史上2位という。今後は手数料を一部下げる方針だ。「年間で4億円ほど分配が増える試算です。作曲家・作詞家の収入が増えることで新た創作にもつながり、音楽文化の発展に貢献するものです」と薬師寺卓・広報課長は胸を張る。
「文化発展考えて」 だが、音楽教室からの微収をめぐっては作詞家から批判が出るなど、音楽業界からも疑問の声があがる。著作権法に詳しい福井健策弁護士は「音楽著作の管理事業は今では公的インフラの一つで、その中核を担うJASRACは音楽を自由に使える場面を確保するなど、音楽文化の発展をもっと意識する必要がある。利用者の代表を理事に加えるなどの改革が必要だ」と指摘する。(赤田康和)

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