4月13日 新聞を読んで 目加田 説子

東京新聞2019年4月7日5面:寒々しい民主主義の風景 今の民主主義の風景は何とも寒々しい。統一地方選挙では既に無投票で26.9%の議席が決まり、当選比率は過去最高だという(3月30日朝刊1.2面)。立候補者数は過去最少で、競争率も過去最低。政治を志す人が減少し、1.2人区では投票を行う前に当選が決まる現象が続出している。これによって、関東5県では532万人の有権者が投票する機会を失ったことになる。女性候補を巡る情勢はさらに深刻だ。立候補者全体のわずか12.7%。自民党は最低で4.2%。昨年5月に男女の候補者数を均等にするよう政党に努力を求める法律が施行されてから、今回の統一地方選が初の大型選挙である。自ら法を制定しても、「努力目標」であれば自民党は一願うだにしないということか。
現政権下で嘘や改竄を重ねる官僚(「官僚劣化どこから・・人事権握る政権に忖度」30日朝刊26.27面)。朱書への忖度を公言して、引責辞任に追い込まれた副大臣(「塚田副大臣、辞任」4月5日夕刊1面)。国の行方を左右する政策の一つである原発の再稼働問題について「不利だから」として「争点化回避」する政治家候補たち(「再稼働9割触れず」4日朝刊1.24.25面)。数千億円とも言われる地上配備型の弾道ミサイル迎撃システム「イージス・アショア」が配備される予定地でも与党候補は沈黙し、レーダー電磁波の健康被害を調査してきた防衛省は選挙への影響を危惧して、3月末に終了する予定だった調査を5月に延期したという(3日朝刊3面)。宮古島では防衛省が再三「保管庫」と地元住民に説明してきた施設は、実は「弾薬庫」だった(1日朝刊1.23面 3日朝刊1.25面)。「完全なだまし討ちだ」という島民の憤りはもっともだ。しかし、防衛省は「説明不足だった」に一言で幕引きを図ろうとしている。
極めつきは安倍首相の新元号発表の政治利用だ(「違和感あり首相会見」2日朝刊24.25面)。宗教評論家は本来、儀礼的な元号の発表に関わる人は「己を無にして臨まなければならない。そこに私的な思いを持ち込むから不純な印象を受ける」と語っている。政治思想史の専門家も「みなさん新しい時代をことほいで、都合の悪いことを忘れてください、というメッセージを聞かされるの分かっていた」と指摘。「国内外で人々の分断ばかりをつくり出している安倍首相が和を語るなど何様? という思いだ」と話す。メディアや有権者の監視が弱まると、偽政者は楽で都合のいい選択に走る。きょうは統一地方選前半戦の投票日。無投票でない選挙区では、一票を投じることで有権者も監視力を高める必要がある。(中央大総合政策学部教授) *この批評は最終版を基にしています。

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