4月12日 がんとともに 俳優・古村比呂さん

朝日新聞2018年4月4日27面:こむら・ひろ 北海道美幌町生まれ。1987年、21歳でNHK朝の連続テレビ小説「チョッちゃん」のヒロインを演じ、その後も舞台やテレビドラマに出演。2012年1月に子宮頸がんと診断され、翌月手術。17年3月に再発、同11月に再々発が分かり、通院治療中。
子宮頸がんと闘う日々語る ドラマや舞台で活躍している古村比呂さん(52)は今年2月、子宮頸がんの2度目の再発を公表しました。昨年11月に肺とリンパ節への転移が分かり、抗がん剤治療を受けています。がん患者にとって転移、再発後をどう生きるかは大きな課題です。何を感じ、どのように日々を過ごしているか。話を聞きました。
心の持ちようで体も和らぐ (再々発は)ショックで感情がフリーズしました。言われていることを受け入れたくないという気持ち。感情が入ると、先生の話をきちんと聞けないというのもありました。昨年3月に1度目の再発が分かった後に1ヵ月間、集中的に抗がん剤と放射線で治療をし、夏にやりたかったテレビドラマ「トットちゃん!」の仕事もできて、さあこれからというタイミングでした。
今年1月から新しい抗がん剤の治療を受けています。血圧が高くなり、吐き気やしびれがありますが、昨年の副作用よりずっと軽い。先月のCT検査では腫瘍が小さくなり、肺の一つは消えていました。まだまだ油断は禁物ですが、うれしい結果でした。気持ちも、以前は「とにかくがんを消そう」ばかりでしたが、今回は体の反応や、気もち良く過ごす方法など、冷静にパターンを見ています。
なるようにしかならないからと開き治ったんですかね。長いスパンの目標に向けて、今何をするかと考えるより、今を楽しむ。その積み重ねで何かを成し遂げられていたらそれでOKという気持ちです。ずっとスイッチオンで「闘って頑張る」という姿勢だと私は疲れちゃう。起きていることを受け入れうまくやる方が、体が緩んで調子も良い。ぼーっとしている時間が大好きで、リラックスできる。再々発しているのに、意外と忘れているのも良いこと。心の持ちようがすごく大きい。人によって、がんと聞いてイメージするものは違う。今の私には「治療」かな。こうして治療を受けられ、最初にがんが分かった6年前より医療の進歩を感じる。そして「生」。どう生きるかは自分次第だと思っています。
全力で治療 私は疲れちゃう 一般に、がんというと「死」を思う人が多いから、患者はあまり病気をオープンにしないのでしょう。私も再々発を公表した時は、やっぱり不安な気持ちがこみ上げました。私にとって仕事は生き方そのもので、周りにどう受け取られるか分からない。「女優、古村比呂」は成立するのか。「元気で明るくなくては」というイメージは自分が作ったもので、とらわれなくて良いのかなと思うけど、思い受け止め方をされちゃうかもしれない。そういう不安でした。「がんだから何もできない」という一部に残る社会のイメージは払拭してほしいです。
いまは治療のために中断しています。リンパ浮腫経験者の集まりは、再開したいと思っています。私自身、手術の後遺症で左足に浮腫が出てすごく困り、同じ悩みの人と話せたらいいなと思って2015年から「シエスタ」という交流会を始めました。びっくりするほど反応があって情報交換をするメンバー増えました。
浮腫への対策やグッズの情報は少なく、お金もかかり、みんな困っています。特に地方では情報が少なくて孤立している人も多いので、全国を回ってみたい。(再発などで苦しむ患者には)私がそれを言える立場か分からないですが、「ともに向き合っていきましょう」と伝えたい。不安になっている人には「1人じゃないですよ」と。 (聞き手・上野創)

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